第93回箱根駅伝結果報告

2017年1月2日・3日

上りの5区に〝救世主〞現る

1区の大森が流れをつくる
 2年連続でシード権を獲得している中央学院大学は、「5位以内」を目指して18回目の箱根駅伝を戦った。前回まで4年連続で1区を務めた潰滝大記(現・富士通)が卒業。新たにチームに「流れ」を作る役目を託されたのが大森澪(3年)だ。
 安定感のある大森で高速レースに対応する作戦だったが、予想に反してスローな展開になった。大森は集団のなかで冷静にレースを進めた。18㎞付近で遅れ始めるが、その後は踏ん張り、トップの東洋大学と22秒差の8位で鶴見中継所へ。スターターとしての役割を十分に果たした。本人も「調子が悪いなかでは、粘りの走りができたかなと思います」と自身の走りには納得していた。

2区でルーキーが大苦戦
〝花の2区〞には出雲と全日本で活躍した高砂大地(1年)が抜擢された。しかし、2週間前に体調を崩した影響もあり、リオ五輪3000m障害に出場した順天堂大学のエース塩尻和也(2年)に食らいつくも10㎞手前で後退。集団からズルズルと引き離された。「10㎞を設定していた28分台で走ることができず、余裕もありませんでした」と高砂。後半は厳しい走りになり、14位まで順位を落とした。今回は区間15位と苦戦したが、「今回の悔しさを生かして、この2区で区間賞を獲れる選手になりたいです」とリベンジを誓っていた。

積極レースも終盤に失速
 3区横川巧(1年)は持ち味である攻めのレースを展開した。10㎞を28分45秒で通過すると、茅ケ崎(14・3㎞地点)で区間トップの快走。18㎞までに法政大学、日本体育大学、大東文化大学、東海大学、日本大学、順天堂大学をかわした。「いつも通り積極的に突っ込んで後半粘るつもりでした。動きは良かったんですけど、18㎞過ぎの湘南大橋から苦しくなってしまいました。」と横川。残り約3㎞で5チームに抜き返されて、最終的にはひとつアップの13位でタスキをつないだ。

準エース区間で11位に
 2区と3区の1年生コンビからタスキを託されたのは、前回も4区を走っている新井翔理(3年)。今季は故障の影響で調整が遅れていたが、出雲駅伝では2区4位という成績を挙げている成長株だ。13位でタスキを受けた新井はすぐに11位争いに加わり、一時は単独10位にまでランクアップ。最終的には11位でタスキを渡すも、東海大学と大東文化大学を抜き去った。本人は「結果を残せずに悔しい」と話したが、距離延長で〝準エース区間〞となった4区で順位を2つ上げる走りは頼もしかった。

 5区、細谷が4人抜き夏に右中足骨を疲労骨折して、本格的な練習は12月からだったという5区細谷恭平(3年)が〝山〞で驚きの走りを見せる。箱根湯本(2.5㎞地点)の通過は20番目も、本格的な上りが始まると、その動きが切り替わった。
 「平地はゆっくり入り、上りからがんばろうと思っていました。まわりは気にせず、自分のリズムで行きました」と細谷。芦之湯(15.8㎞地点)では区間トップの駒澤大学・大塚祥平(4年)と3秒差まで大躍進する。区間賞には22秒届かなかったが、区間3位と快走して、拓殖大学、法政大学、創価大学、帝京大学の4チームを抜き去り、往路を7位でフィニッシュした。

復路は4年生が集大成の大活躍

山下りで6位に浮上
 復路のスターターとなる山下りの6区は昨年に引き続き樋口陸(2年)が登場した。前回は区間歴代4位の58分47秒で走破しており、今回は区間記録(58分09秒)の更新も視野に入れていた。
 7位で芦ノ湖をスタートした樋口は、前を行く神奈川大学と駒澤大学を抜き去り、5位に浮上。最後は神奈川大に抜き返されたものの、順位を1つ上げた。しかし、区間タイムは前回から1分02秒も落とし、「個人の走りとしてはまったく良くありませんでした」と反省した。2度目の山下りは悔しい結果になったようだ。

兄からの給水を力に
 7区は3年連続で海老澤太(4年)が出走。過去2回は区間11位、同7位と安定した成績を残しており、川崎監督が常々口にしている「ミスなく」を体現してきた選手だ。海老澤は今回、特別な想いで箱根に臨んでいた。チームの主軸である双子の兄・剛が故障でメンバーから外れたからだ。「兄の分まで」という気持ちで、最後の箱根路を駆け抜けた。
 日本体育大学にかわされたものの、兄・剛が給水係を引き受け、弟の快走をバックアップ。「兄から声をかけてもらって、力になりました」と〝兄弟パワー〞を注入された海老澤は、最終的に自身最高成績となる区間6位と好走した。

箱根では悔しい走り
 今年度の学生三大駅伝フル参戦となった廣佳樹(2年)は、チームが重要視する8区で出場。単独7位で走り出して、5位争いの順天堂大学と日本体育大学を追いかけた。 「緊張はなかった」という廣だったが、区間一桁の順位で好走した出雲と全日本と比べて、精彩を欠いた。
 初めての箱根は区間13位と力を出し切ることができず、「チームが5位を目指しているなかで何もできなかった」と悔しさを口にした。それでも6位の日本体育大学とは12秒差という好位置でタスキをつないだ。

1年生が9区を好走
 復路のエース区間である9区を任されたのは藤田大智(1年)。後ろから追い上げてきた法政大学とともに、前を行く日本体育大学を追走した。
 「チーム目標が5位だったので少しでも順位を上げたかった」というルーキーは日本体育大学を抜いて、単独6位に浮上。鶴見中継所では、法政大学にかわされて順位変動はなかったものの、1年生ながら他大学の主力選手と互角に渡り合った。
 8区廣、10区村上優輝(4年)との〝兵庫県出身リレー〞を果たした藤田。特に村上は高校の先輩にあたり、「ずっとタスキ渡しをしたかった」と今回の継走を素直に喜んだ。

主将・村上が激走!
 最終10区は、「混戦になると予想していました」と川崎勇二監督は主将・村上優輝(4年)を起用。その配置がピタリとはまった。村上は日本体育大学、法政大学との〝6位争い〞を制して、歓喜のゴールに飛び込んだ。総合6位は18回目の出場で3番目の好成績。3年連続シードは大学初の快挙だった。「5位以内を目指していたので、僕足していなかった。そして、「4年生はふたりしか走っていませんし、まだまだ上を目指せるチームなのでがんばってほしいです」と後輩たちに〝夢〞を託した。

 

往路  7位
107.5km   5間38分20秒
復路  8位
109.6km   5間37分05秒 
 総合  6位
217.1km   11時間15分25秒