「第95回東京箱根間往復大学駅伝競走」結果報告

総合10位で5年連続のシード権を確保

1区 川村 悠登(3年)

1区 3年川村 悠登選手 17年連続20回目の出場となった箱根駅伝。切り込み隊長の役目を託されたのは、今季1万mで28分39秒39(大学歴代5位)を記録するなど成長著しい川村 悠登(3年)だ。出雲駅伝でも1区4位と好走しており、初めての箱根駅伝にも「思ったほど緊張しなかったですし、いつも通りの感じでレースに臨むことができた」と明かす。
 序盤はスローペースで進む集団の中で力を溜めていたが、18km過ぎで東洋大・西山 和弥(2年)が仕掛けたところでついていくことができず、終盤は徐々に後退して14位で鶴見中継所へ。「自分の走力不足が身に染みてわかった」(川村)と納得の結果は得られなかった。川崎 勇二監督は1区を「先頭と15秒差でつなげれば」と想定していたが、実際には先頭の東洋大から39秒差。チームとしてはやや想定外の出だしとなった。

2区 髙橋 翔也(2年)

2区 2年髙橋 翔也選手 各校のエースが集う〝花の2区〟を任されたのは髙橋 翔也(2年)。前回の箱根では1年生ながら4区区間10位と上々の箱根デビューを飾っており、今季は出雲(3区8位)、全日本(1区6位)でも好走している。川崎監督は期待の2年生に「区間ひとケタが狙える」と高い評価をつけていたが、髙橋は1区からの悪い流れを断ち切ることができなかった。
 序盤は明治大学、日本体育大学、帝京大学と11位争いを繰り広げていたが、他校のエース級に圧倒され、中盤から失速。順位を2つ落とす区間16位。「残り3kmで切り替えられないくらい脚が動かなかった。全体的にレベルが高くて、今の自分では太刀打ちできない」と、髙橋は自身の走りを悔やんだ。

3区 栗原 啓吾(1年)

3区 1年栗原 啓吾選手 往路序盤で先輩が苦戦する中、3区を任された栗原 啓吾(1年)は非常に落ち着いた走りを披露した。序盤で後ろから追ってきた明治大学に抜かれ、さらに早稲田大学に追いつかれる状況でも「初めての箱根で不安もあったけど、前半から予定していたペースで走れた」と、自分の設定タイムを忠実に守り、後半にかけて猛チャージ。ラスト3kmで、並んでいた早稲田大学を突き放すと、前を行く日本体育大学、日本大学をかわし、前の中継所から1つ順位を上げる15位(区間13位)で4区へ中継した。
 栗原は群馬・東農大二高時代に5000m14分05秒45を記録した期待のルーキー。今季は1年生ながら出雲、全日本の両駅伝にも出走し、距離が延びる箱根の舞台でも、「初めての箱根にしては上出来。栗原が後半盛り返してくれたおかげで流れが変わった」と指揮官が評価するほどの結果を残した。

4区 有馬 圭哉(3年)

4区 3年有馬 圭哉選手 山上りに入る前の重要な区間として位置付けられる4区には、前回8区で区間10位の走りを見せた有馬 圭哉(3年)が起用された。タスキを受けた時点でシードラインから1分39秒遅れていたが、有馬は区間6位の好走でその差を46秒とし、13位に順位を押し上げた。
「3区の栗原が流れを変えてくれたので、それが刺激になりました。後ろから追い上げてきた早稲田大学の選手が自分の設定より速いペースだったのですが、必死に食らいついていけたのが良かったです」と有馬。後輩が引き寄せた流れをさらに加速させ、小田原で待ち受ける5区の同級生へタスキを託した。

5区 高砂 大地(3年)

5区 3年高砂 大地選手 最大標高874mの山を駆け上がる5区では、昨年度の全日本大学駅伝以来1年2ヶ月ぶりのレース復帰となる高砂 大地(3年)が大仕事をやってのけた。高砂は13位でタスキを受けると、7km地点の大平台までに前の東京国際大学に追いつき、10km過ぎには中央大学を抜いて11位に浮上。20km手前で明治大学をかわし、3人抜きの10位で芦ノ湖のフィニッシュ地点に飛び込んだ。
 高砂本人は「目標としていた1時間12分台には届かなかったですし、予想以上の寒暖差にやられました」と振り返るが、1時間13分08秒の区間9位は復帰レースとしては上出来な結果と言える。これまで度重なる故障などで戦列を離れていたが、1年時に花の2区を任された高いポテンシャルを発揮し、エースとしての役割を全うした。

6区 樋口 陸(4年)

6区 4年樋口 陸選手 6区は4年連続出場となった樋口 陸(4年)。9位の帝京大学を2秒差で追う絶好のポジションで走り始めたが、今回は4年間で最も苦戦する山下りとなった。区間5位の58分44秒で駆け抜けた帝京大学・島貫 温太(3年)にまったくついていけず、逆にスタート時は42秒も差があった11位の明治大学に、4.8km地点の芦之湯で7秒差まで詰められる展開。最後まで抜かれることはなかったものの、樋口は4年間でワーストの区間12位(60分14秒)で最後の箱根を終えた。
 当初、川崎監督は「59分くらいではいける」と想定しており、今回の樋口の走りには「誤算だった」と肩を落とした。本人は「空回りしてしまった」とレースを振り返り、シード権獲得は7区以降の後輩に託されることになった。

7区 吉田 光汰(1年)

7区 1年吉田 光汰選手 7区は出雲、全日本の両駅伝にも出場している吉田 光汰(1年)が初めての箱根路に挑んだ。吉田は後ろから追い上げてきた明治大学・小袖 英人(2年)に逆転され、11位に転落。だが、「監督には後半勝負だと言われていたので、徐々に追い上げて行ければ」と、1年生ながら冷静にレースを組み立て、その後、失速した明治大学を再逆転してみせる。
 前を走る9位の拓殖大学との差も2秒詰め、「区間順位(16位)は悪いですけど、設定タイムとほぼ同じで走れているので、力は発揮したと思います」と監督が評価するほどの仕事を果たした。とはいえ、この時点で9位と30秒差、11位と27秒差の10位。運営管理車に乗る監督にとってはヒヤヒヤの展開が続いた。

8区 大濱 輝(3年)

8区 3年大濱 輝選手 例年、川崎監督が重視する傾向のある8区は、学生駅伝初出場となる大濱 輝(3年)が力走を見せた。「あまり前のことは意識せずに、各ポイントのタイム設定を守ることだけを考えて走っていました」というが、その心構えが奏功した。じわりじわりと9位の拓殖大学に迫り、15km過ぎの遊行寺坂を過ぎてから一気に逆転。レース終盤に差し掛かり、ようやくひとケタ順位に浮上した。
 大濱は自らの設定タイムを10秒上回る1時間6分00秒で走破し、区間5位。これには指揮官も「ギリギリまで長山(瑞季、3年)にするか迷っていたのですが、すごく良い走りをしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。拓殖大学を逆転したことで、全日本大学駅伝の推薦出場枠(前回の全日本でシード権を獲得した大学以外の箱根上位2校)に突入。9区以降は、いかに「9位」を死守するかという戦いに変わっていった。

9区 釜谷 直樹(4年)

9区 4年釜谷 直樹選手 9区を任されたのは釜谷 直樹(4年)。全日本でも長距離区間の7区を担った実力者だが、今回は気負いがあったのか、最初の1kmを「2分38秒くらい」で突っ込んでしまう。案の定、中盤以降は失速し、鶴見中継所では10位拓殖大学と29秒差、11位明治大学とも57秒差と迫られ、後続の大学に逆転シードの可能性を与えてしまった。
 「調子は良かったのですが、前半飛ばし過ぎました。後半は全然ダメだったですね」と川崎監督も辛口評価。兵庫県の名門・西脇工高の出身で、コツコツ力をつけて4年目にして初めて箱根出走のチャンスをつかんだが、心残りのある走りで終わってしまった。

10区 石綿 宏人(2年)

10区 2年石綿 宏人選手 すべてが決まる10区は、川崎監督が「復路で一番自信を持って送り出した」という石綿 宏人(2年)。暑さにも風にも強い選手として信頼の高い選手だが、この日は本来の走りが見られなかった。途中から吹き荒れた向かい風に苦しみ、後ろから猛追する拓殖大学に逆転を許してしまう。運営管理車に乗る監督から「何としても前につけ!」と檄が送られるが、最後まで自身の走りを取り戻せず、前回と同じ10位でフィニッシュ。石綿は区間9位と特別悪い走りではなかったが、指揮官の高い期待に応えることは叶わなかった。

 主将の廣 佳樹、前回2区の市山 翼(ともに4年)、副将の藤田 大智、1万m28分29秒12を持つ横川 巧(ともに3年)らを故障などで欠く苦しいオーダーだったが、これで箱根駅伝の5年連続シード権を確保した。しかし、全日本大学駅伝の推薦出場をあと一歩で逃したこともあり、陣営に笑顔は見られなかった。

【個人成績】
区間 選手 タイム 区間順位 総合順位
1区(21.3km) 川村 悠登(3年) 1時間03分14秒  14位 14位
2区(23.1km) 髙橋 翔也(2年) 1時間09分41秒 16位 16位
3区(21.4km) 栗原 啓吾(1年) 1時間04分07秒 13位 15位
4区(20.9km) 有馬 圭哉(3年) 1時間03分22秒 6位 13位
5区(20.8km) 高砂 大地(3年) 1時間13分08秒 9位 10位
6区(20.8km) 樋口 陸(4年) 1時間00分14秒 12位 10位
7区(21.3km) 吉田 光汰(1年) 1時間05分30秒 16位 10位
8区(21.4km) 大濱 輝(3年) 1時間06分00秒 5位 9位
9区(23.1km) 釜谷 直樹(4年) 1時間11分44秒 15位 9位
10区(23.0km) 石綿 宏人(2年) 1時間12分23秒 9位 10位