特色と概要・カリキュラム
【特色と概要】
1.大学院設立の趣旨
本研究科では、建学の精神や時代の求めに応じ、一市民としての責任と義務を自覚し、かつ、自らの個性や特性を最大限に伸ばしながら21世紀型の新しい産業を創出しうる人材を育成することを目的に大学院修士課程を設立しました。20世紀の商学の特徴は、大量生産、大量消費、大量廃棄の拡大型物質優先の産業構造を前提に、利益最優先という企業側の論理に立脚した業態研究や流通研究が中心にありました。しかし、21世紀は地球環境問題を踏まえ消費者側の論理が注入され、教育上からも倫理や法の遵守というコーポレート・ガバナンス(企業統治)や企業関係者のコンプライアンス(法令遵守)を学ぶことが必要となってきました。
このような商学をめぐる社会環境変化の中でそれに対応できる会計、経営の専門職業人の養成が各方面から求められています。
本研究科ではこのような「商学」変革時代の要請を受けて専門職業人の養成を行います。
2.地域から要望された大学院
現代ではグローバル以上に地域の特色を重視したローカルの視点が強く求められています。本学は長年、アクティブセンター(生涯学習センター)の活動や我孫子市における各種審議会委員としての参加、手賀沼学会の運営を通じて地域社会に貢献してきました。また、本学が位置する千葉県東葛飾地域には「商学研究科」を有する大学院はなく、我孫子市を中心に地域振興に不可欠な商学研究教育機関として、本研究科は地域の期待を担っています。
3.現代商学をより高度に学べる大学院
現在の商学部では、商学を総合的な市場ネットワークの学問としてとらえ、国際的市場展開の経営や情報技術(IT)を含んだカリキュラムを構築してきました。これにより、商学総合・経営・国際ビジネス・会計・経済・情報・スポーツキャリアの7コースの教育課程を実施しています。本研究科ではこの商学部7コースの教育を基礎に、大学院専門力リキュラムが展開され、一層の専門性や学問の深化を通しての総合性が図られています。【カリキュラム】
修了の要件
修士課程に2年以上在学し、講義科目・演習科目あわせて30単位以上を修得し、必要な研究指導を受け、学位論文の審査及び最終試験に合格した者には、「修士(商学)」の学位が授与されます。授業時間
月曜日~金曜日の9:00~17:40の間に授業が開講されます。科目一覧
会計学系列 | 経営学系列 | ||
財務会計論特論Ⅰ・Ⅱ
財務会計論演習Ⅰ・Ⅱ 管理会計論特論Ⅰ・Ⅱ 管理会計論演習Ⅰ・Ⅱ 税務会計論特論Ⅰ・Ⅱ 租税法特論Ⅰ・Ⅱ 租税法演習Ⅰ・Ⅱ ビジネス・ロー特論Ⅰ・Ⅱ ビジネス・ロー演習Ⅰ・Ⅱ 会計監査論特論Ⅰ・Ⅱ ファイナンス特論Ⅰ・Ⅱ |
各2単位 | 現代企業管理特論Ⅰ・Ⅱ
現代企業管理演習Ⅰ・Ⅱ 経営組織論特論Ⅰ・Ⅱ 経営組織論演習Ⅰ・Ⅱ 国際経営論特論Ⅰ・Ⅱ 国際経営論演習Ⅰ・Ⅱ 経営情報論特論Ⅰ・Ⅱ 経営情報論演習Ⅰ・Ⅱ マーケティング論特論Ⅰ・Ⅱ マーケティング論演習Ⅰ・Ⅱ 国際経済論特論Ⅰ・Ⅱ 国際経済論演習Ⅰ・Ⅱ 流通論特論Ⅰ・Ⅱ 保険論特論Ⅰ・Ⅱ 外国語文研研究Ⅰ・Ⅱ(英語) |
各2単位 |
共通科目 | |
特別研究指導Ⅰ・Ⅱ(2年次修士論文指導科目) | 各2単位 |
【税理士を目指す方へ】
税理士試験の試験科目免除制度
税理士試験には、学位取得による試験科目免除制度があります。試験の分野ごとに、本学【財務会計論】では会計学科目で合格が必要とされる試験科目、また、【租税法】では税法科目で合格が必要とされる試験科目について、いずれの場合も修士論文の審査に合格して学位を取得することにより、試験が免除されます。また、【管理会計論】では修士論文の内容により、例えば原価計算論に関する研究をベースとした論文などは会計学科目の試験科目免除となる可能性があります。【ビジネス・ロー】でも修士論文の内容により、例えば会計学研究をベースにして会社法会計を扱った論文などは会計学科目の試験科目免除となる可能性があります。
当研究科では【会計論】等または【租税法】にて学位を取得し、この制度を利用して税理士試験科目に合格し、税理士資格を取得する者を輩出しています。
但し、試験科目免除の最終判断は国税庁所管の国税審議会が行います。国税庁ホームページ内に掲載されている税理士試験の案内を確認ください。
税理士試験科目免除希望の方は、あらかじめ教務課大学院担当係に問合わせされることをお勧めします。希望する担当教員に、あらかじめ修士論文のテーマ・内容等について相談されることが大事になります。
-
過去の税理士試験科目免除による資格取得者の論文題目
-
- 法人税法22条2項における無償取引に関する一考察
- 租税負担軽減行為についての一考察
- 同族会社の行為計算の否認規定に関する一考察 ―租税回避における「不当性」の判断―
- 無利息融資課税に関する一考察 ―清水惣事件を素材として―
- 有形固定資産の減価償却に関する一考察
- 減損会計の構造とその機能に関する一考察 ―日本、アメリカおよび国際会計基準の比較研究―
- 所得税法第56条の解釈と適用範囲について ―裁判例の検討を中心として―
- 所得税法 第73条 (医療費控除)の適用範囲に関する一考察