2021.07.30 (金)TOPICS商学部

「商学部研究発表会」開催報告

 7月28日(水)に、商学部教員を対象としたオンラインでの「商学部研究発表会」が開催され、商学部講師の林 孝宗先生と掘井 誠史先生による研究発表が行われました。
 今回の発表は、法律や歴史という、商学とは一見結びつかないところからアプローチした研究で、大変新鮮なものでした。質疑応答の時間には、「素人ですが」という前置きをしながら複数の先生から質問があり、短い時間ながらも各研究に対して理解を深め、また学問の幅の広さを実感する機会となりました。

【発表者1】林 孝宗 講師

タイトル:取締役会の多様性について:法学からの一考察

【要旨】
 本研究発表会では、取締役会の多様性についてアメリカの議論を中心に紹介した。
 アメリカでは1980年代にダイバーシティ・マネジメントが誕生し、2000年代以降の実証研究の進展によって取締役会の多様性が企業パフォーマンスの向上に寄与するという考えが一般化し、企業法制にも取り込まれた点を指摘した。
 ただし、現在このような実証研究に対して様々な批判が加えられており、法学者を中心に経済合理性ではなく社会的公正の観点から取締役会の多様性を捉え直すべきという主張が現れていることを紹介した。
 そして最後に、我が国でも取締役会の多様性を経済合理性だけではなく、社会的公正の視点から捉え直すべきではないかと指摘した。

【発表者2】掘井 誠史 講師

タイトル:18世紀後半ドイツ・ザクセンにおける繊維産業と産業振興政策

【要旨】
 工業化を目指す地域において実施された新たな技術や知識を導入する政策の1つに、懸賞課題の制度が挙げられる。懸賞課題の制度は、支払われる懸賞の金額を事前に知らせた上で、産業・学問上の課題に対する解決法を広く公衆に求める科学技術政策である。
 本報告では18世紀後半ドイツ・ザクセンにおいて実施された懸賞課題の制度をとりあげ、その成果について検討する。
<お問い合わせ先>
部署:企画課
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