2022.01.19 (水)TOPICS現代教養学部

「アーサー・ホーランド氏特別授業」開催報告

1月18日(火)、現代教養学部 峯 真依子先生の授業「英語リーディング・ライティング実践」(1年生必修科目)にて、キリスト教宣教師、作家、モデル、俳優で、AbemaTVでコメンテーターをしているアーサー・ホーランド氏による特別授業が行われました。

「不良牧師」としても世界中で愛されるアーサー先生は、ときに革ジャンでハーレーダビッドソンを乗り回し、また、世界各地を十字架を担いで歩いてきました。コロナで内向きになっている今、英語を学ぶことのモチベーションも下がる傾向にありますが、コロナの終息後を見据え、広い世界に出て様々な人々と出会うことの素晴らしさを語っていただきました。

Authur’sBook

アーサー・ホーランド氏特別授業01

キリスト教伝道者として世界中を重い木製の十字架を担いで歩く先々で、色々な人から声をかけられ気づいたことは、彼に見せる人々の表情や言葉が、その人の人間性の奥底から出た本質のものである瞬間があるんじゃないか? ということだったそうです。

たとえば、ブルックリンの危険な地域を十字架を背負って歩いたときには、アメリカ社会の最下層で社会的に虐げられている人々が、なけなしの5ドルを彼に渡して優しさを精一杯表現してくれた一方、世界一の金融街であるウォールストリートでは、「十字架なんか担いで歩いて、お金はどうしているんだ?」とか「そんな時間がどうしてあるんだ?」と聞かれたとのこと。そう聞く彼らこそが本当は「お金の心配ばかりしている人」「時間がない人」なのかもしれない。
自分は歩くことで人間を勉強している、いつも “under the construction”(工事中)であり自分の完成形はない、と、アーサー先生は仰っていました。

アーサー・ホーランド氏特別授業02

アーサー・ホーランド氏
学生から出た質問は、まさにアーサー先生という宗教家の根幹をついた鋭いもので、「かなり型破りなキリスト教の牧師として、型破りに生きることの意味」についてでした。答えとして、世の中の雰囲気に左右されず、他人を上から目線で裁かず、ときにルールも時代と国で変わるものであるから、「自分の軸で考えて生きることの大切さ」を語ってくださいました。

一方、アーサー先生から学生へのメッセージとして、人は世の中の価値観が求める立派な人の向く方に流され、いつしか自分の中にある精神的で本質的な意識(直感)を無視して押し殺してしまう。目の前に見える人たちの意見に惑わされ、さらには彼らに認められようとする。アーサー先生によれば、学生一人一人こそが尊く、すでに大事な存在である、その認識から外れないで欲しい、と仰っていました。

アーサー・ホーランド氏特別授業04

アーサー氏に質問した学生
そして学生たちが社会に出て働くとき、直感でこれは「やりたくない。」という気持ちが生まれることもあれば、良心でこれは「やりたい。」という気持ちが生まれることもある。「使命」という言葉が「命を使う」と書くように、人がやらなくても自分が文字通り「使命」として、つまり命を使ってやるんだ、ということにさえ直面するかもしれない。そのときに、それがいくら途方もなく大変なことでも、彼の十字架行進のように、焦らず、慌てず、一歩一歩を積み重ねていくこと。また過去の失敗に囚われ、「未来でいつか成功してやる」と未来に囚われれば、かえって現在をないがしろにする。そうではなく、 “right now” 今この時間を大事にすること。そうれば、必ずゴールにたどり着く、という希望とエールを学生に熱く語ってくださいました。

この特別授業を受けた1年生にとっては、外に向かって様々な扉が開かれ、同時に自分の内面や人生についてじっくり考えるきっかけとなる時間となりました。

アーサー・ホーランド氏特別授業05

特別授業を受けた1年生たち

アーサー・ホーランド氏特別授業03

峯 真依子先生
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部署:企画課
電話:04-7183-6517