2022.03.07 (月)TOPICS商学部

「商学部研究発表会」及び「科研費取得教員による報告会」開催報告

3月3日(木)にオンラインでの「商学部研究発表会」が開催され、商学部 准教授 森元 晶文先生による研究発表が行われました。また、研究発表会の後に「科研費取得教員による報告会」が開催され、令和3年度に科学研究費助成事業の研究種目「研究活動スタート支援」を取得した掘井 誠史先生と、「若手研究」を取得した林 孝宗先生が、科研費取得までの経緯や、研究計画調書作成のコツなどを報告されました。
コロナ禍で対面での会話が減った中、ご自分の研究について楽しそうに語る先生方が印象的な会となっていました。

【発表者】森元 晶文 准教授

テーマ:「フィリピン経済の特徴と課題」

森元先生は、現在「サービスの「貿易可能化革命」と途上国経済」をテーマとして日々研究を進められています。ICTの革新により、インターネットを通して途上国の安価な労働力がコールセンターや医療サービス、英語学習サービス等の様々なサービス業務として先進国の消費者へ提供されるようになりました。このような変化が、途上国の経済構造や経済成長に及ぼす影響を分析・研究されています。
今回の研究発表では、フィリピンを通じ、国際労働力移動と世界経済の構造変化をとらえる研究の一端を発表されました。
なお本学では、「国際貿易理論」「国際貿易政策」等の授業を担当しています。

研究発表会20220303森元先生

【「フィリピンの特徴と課題」要旨】
1980年代、政治的混乱から深刻な景気後退に陥ったフィリピンは、長らく「アジアの病人」と揶揄されてきた。ところが、2000年代以降のフィリピン経済は、近隣のASEAN諸国を上回るほどの成長を遂げ、今日では「成長する若き大国」あるいはVIP(ベトナム、インドネシア、フィリピン)と形容されるなど、今後の成長が期待される国として注目を集めている。本報告では、2000年代以降に急増する海外出稼ぎ労働者による送金が、国内消費を刺激し、経済成長の原動力となってきたことを明らかにする一方、そのような成長のもとにあっても所得格差の改善が捗らない要因を指摘し、今日のフィリピン経済の特徴と課題を整理した。

【報告者1】 掘井 誠史 講師

掘井先生は、令和3年度に課題名「18世紀後半ザクセンで実施された懸賞課題の研究」にて、科学研究費助成事業「研究活動スタート支援」を取得され、ドイツの工業化の歴史について研究されています。
報告会では、「科研費研究計画調書作成にあたって意識した3つのポイント」として、審査員を意識して調書を書いたなど、ご自身の経験をわかり易くお話しされていました。
18世紀後半の古文書の入手が難しく、科学研究費を使い、できれば現地に行って入手したいと話されていました。

本学では「経済学史」を主に担当されています。
 

科研費取得者報告会20220303掘井先生

【報告者2】 林 孝宗 講師

林先生は、令和3年度に課題名「英米法におけるCSR情報の開示と取締役の義務」にて、科学研究費助成事業「若手研究」を取得されました。社会の持続的成長の観点から、会社・経営者がどのような責任を負うべきなのか(どのような法制度を構築すべきか)について研究されています。
報告会では、「初心者からの科研取得への道」というタイトルで、ご自身の失敗談なども交えながら、共同研究の楽しさや難しさなどについても報告されていました。

本学では、「商法総則・会社法総論」「会社法各論」を主に担当されています。
 

科研費取得者報告会20220303林先生

商学部研究発表会・科研費取得者報告会20220303

科研費の取得やお互いの研究について、リラックスした表情で情報・意見交換する先生方
上段左から:松原 寿一先生、上池 あつ子先生、掘井 誠史先生
下段左から:富田 雄一郎先生(司会)、林 孝宗先生、森元 晶文先生
<お問い合わせ先>
部署:企画課
電話:04-7183-6517