2022.03.18 (金)TOPICS現代教養学部

中川先生が「WTOとFTAを通じた新たな通商ルール形成の可能性」について講演

現代教養学部教授 中川 淳司先生が、3月17日(木)に国際貿易投資研究所・日本貿易振興機構共催セミナー「WTOとFTAを通じた新たな通商ルール形成の可能性」にて、講演を行いました。

本セミナーでは、2022年6月に開催されるWTO(世界貿易機関)閣僚会議を控えたWTOでの多国間・複数国間交渉の実態と課題をつまびらかにし、併せて進展するFTA(自由貿易協定)を通じた新たなルール形成の動向やビジネス環境の変化について解説されました。
 

中川先生オンライン講演

中川 淳司 先生
中川先生は、「WTOの多国間・複数国間交渉の現状と課題」というテーマで講演をし、WTOの多国間・複数国間ルール交渉の現状、考察として交渉結果を実現する法形式や、有志国の共同声明に基づくルール形成の試みとして、サービスの国内規制に関する交渉が2021年12月にまとまったことや、交渉結果の概要が紹介されました。

また、先生は「WTOのドーハ交渉がとん挫し、多角的な貿易ルールの形成が行き詰っているが、この現状を打開する試みとして有志国が発出した共同声明に基づくルール形成と、ドーハ交渉の一環として交渉が続けられてきた漁業補助金協定の交渉が行われている。電子商取引や開発のための投資円滑化についても有志国の共同声明に基づくルールの形成の交渉が行われており、これらの交渉と漁業補助金協定の交渉は2022年6月に開催されるWTO閣僚会議までの妥結を目指している。ただし、有志国の共同声明に基づくルール形成の交渉は、交渉結果をどのような形式の国際協定として取りまとめるか課題が残されており、WTOを通じた多角的な貿易ルールの形成が復活するかはどうか予断を許さない」と報告されました。
 
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