2022.04.20 (水)TOPICS現代教養学部

中川淳司先生が「2022年日本の通商政策の課題」について講演

現代教養学部教授 中川 淳司先生が、4月19日(火)に公益財団法人 日本関税協会 横浜支部主催の時局講演会にて、「2022年日本の通商政策の課題:CPTPP拡大・RCEP、米国通商政策の見直し」をテーマとした講演を行いました。当日は、会場参加とオンライン参加のハイブリッド型にて開催されました。

中川先生講演会①

中川淳司先生
今回の講演では、まず2022年の国際通商環境の変化と日本について触れ、米中の対立やロシアによるウクライナ侵攻、コロナ禍のグローバルサプライチェーンへの影響について話されました。併せて、日本の経済連携協定の推進状況について説明され、日本は主要国との二国間・広域FTA※1(自由貿易協定)や、EPA※2(経済連携協定)を締結したと述べました。

その後、今回の課題であるCPTPP※3(アジア太平洋地域における経済連携協定)拡大、RCEP※4(地域的な包括的経済連携協定)の活用、米国通商政策の見通しについてそれぞれ述べました。CPTPP拡大については、加入の手続きや加入条件を説明しながらも、中国の加入について焦点をあて、日本が中国のCPTPPを受け入れるための対応として4つのプラン(積極的受入れ/条件付受入れ/棚上げ/拒絶)が考えられると話されました。また、米国通商政策の見通しについて、2017年に米国がTPP(環太平洋パートナーシップ)を離脱したが、復帰する可能性が低いということ、2021年10月以降、バイデン政権の関係者がインド太平洋経済枠組みに言及することになったことにあわせて、日本はインド太平洋経済枠組みに積極的に対応する必要があると提言されました。

質疑応答では、米中の貿易に対する質問や、軍事侵攻に関連した質問などがあり、現在の世界情勢にも関わる興味深い質問が飛び交いました。
 
  • ※1 FTA(Free Trade Agreement)
  • ※2 EPA(Economic Partnership Agreement)
  • ※3 CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)
  • ※4 RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement)


中川淳司先生の専門分野は国際経済法で、本学では「国際関係論」と「現代世界における政治経済と法」等の科目を担当されています。
<お問い合わせ先>
部署:企画課
電話:04-7183-6517