2022.10.19 (水)TOPICS法学部

平和学「被爆者体験講話」実施報告

10月10日(月)に法学部教授 川久保 文紀先生の授業「平和学」の特別企画として、的山ケイ子さんによる「被爆者体験講話」が実施されました。
的山さんは、2020年から1年間、我孫子市原爆被爆者の会の会長を務められ、我孫子市平和事業推進市民会議の会員としても長年にわたって平和の啓発活動を行ってこられました。

特別企画はまず、我孫子市平和事業推進市民会議の北嶋 扶美子会長より、戦争と平和を学ぶ学生たちに向けたメッセージとともに、我孫子市の平和推進事業についてのご説明から始まりました。

平和学「被爆者体験講話」01

我孫子市平和事業推進市民会議 北嶋 扶美子会長のご挨拶
的山さんの講話では、冒頭に、我孫子市在住の被爆者の高齢化に伴い、自分が最後の会長として我孫子市原爆被爆者の会の活動を締めくくられた経緯について述べられました。そのうえで、平和の継承を世代間でつないでいく重要性について、ご自身の被爆経験をもとに語られました。

的山さんは戦後すぐに長崎でお生まれになり、お母さんのお腹のなかで被爆されました。ご自身も含めてご家族全員がガンにかかったことを吐露されながら、被爆とガンとの因果関係は明確には分からないとされながらも、原爆投下から77年経った今もなお様々な後遺症に苦しんでいる被爆者がいることを忘れないで欲しいと話されました。
そして、小学校の教員を30年以上お勤めになった的山さんは、教え子が海上自衛隊に入ったことを嬉しそうに報告してきたときに、このような若者たちを絶対に戦場に送ってはならないと固く思われたそうです。

平和学「被爆者体験講話」02

的山ケイ子さんによる被爆者体験講話
最後に、我孫子市原爆被爆者の会の活動を終了するにあたり、我孫子市内の公園に「陽光桜」を植樹されたことに触れられ、これからも身体の続く限り我孫子から平和を発信していくという力強い決意を学生たちに伝えられました。
講話後、学生たちからは質問や感想が多く寄せられ、的山さんご自身も、こんなに多くの若い人たちの前で話したことは初めてで、とても貴重な時間になりましたと感想を述べられていました。

平和学「被爆者体験講話」03

「これまで被爆者としての活動をしてこられて、良かったと思われることは」と質問する学生

平和学「被爆者体験講話」04

「国が防衛費を増額しようとする最近の議論についてどうお考えですか」と質問する学生
法学部教授 川久保 文紀先生は、平和研究のほか、現代政治学、国際関係論、境界研究(ボーダースタディーズ)を専門とされており、本学では「平和学」「政治学原論」「国際関係論」などの授業を担当しています。(「平和学」は商学部でも受講できます)
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