2022.12.22 (木)TOPICS現代教養学部

「国際ジャーナリスト宮下洋一氏特別講義」実施報告

12月22日(木)、現代教養学部1年生対象の基礎演習に、現代教養学部 峯 真依子先生とプライベートでも親交のある、国際ジャーナリストでノンフィクション作家の宮下 洋一氏をお招きし、特別講義が行われました。

宮下氏はバルセロナ大学大学院で国際論修士とジャーナリズム修士をおさめ、現在はフランス・スペインを拠点とし、主にヨーロッパで起きている情報を、長期に渡り日本に届けてくださっています。
宮下氏の強みは、フランス語、スペイン語、英語、ポルトガル語、カタラン語(スペインのカタルーニャ州の言語)に通訳を介さず直接取材ができる高い言語能力と、その言語能力に裏付けられた優れたコミュニケーション能力です。事件が起きている現場に足を運び、誰の話にもじっと耳を傾けることのできる物静かなたたずまいは、一般的にイメージするジャーナリストの姿とは少し異なるかもしれません。

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)01

国際ジャーナリスト 宮下 洋一氏
世界各地を大変な労力を費やして取材し、一字一句を削り出すように書かれた著作として、講談社ノンフィクション賞を受賞した『安楽死を遂げるまで』、小学館ノンフィクション大賞優秀賞『卵子探しています—世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』、Yahoo!ノンフィクション本大賞ノミネート作品『安楽死を遂げた日本人』、『ルポ 外国人ぎらい』など多数があります。

今回は、12月15日に発売されたばかりの『死刑のある国で生きる』(新潮社)の取材過程での経験だけでなく、これまで取材してきた欧州サッカーの超有名プレイヤーたちとの日頃のやり取りからご自身が思ってきたこと、そしてまだ記憶に新しい、レバノンに逃亡した元日産CEOのカルロス・ゴーン氏の記者会見に、日本のメディアの殆どがシャットアウトされる中、数少ない日本人記者として本人に質問をした経緯など、数々の取材の裏側を語っていただきました。

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)02

学生たちは、宮下氏の著書や、今年の『小説新潮』『世界』『中央公論』『文藝春秋』に連載・掲載された最新の書き物を事前に読んでから特別講演に参加しました。
現代教養学部には出版業界・メディア業界・ニュース関係に就職を希望する学生もおり、学部の取り組みとしてもニュース検定の受験を推奨しています。現代教養学部の学生たちにとって、宮下氏に実際に会って話を聞くことができたのは、またとない貴重な経験となりました。

講演の後の質疑応答では、学生たちは矢継ぎ早に手を挙げ、また学生だけでなく現代教養学部の教員からも宮下氏に質問を投げかけました。ワールドカップ終了から間もない時期ということもあり、アルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手の素顔や、日本チームの大躍進についてなど、会場がにぎやかに沸く質問も多く出ました。

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)03

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)04

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)05

学生たちは、宮下氏が質問の一つ一つに時間をかけ、一人一人にじっくりと向き合ってくださり、的確な言葉を選びながら対話してくださったことに感激していたようです。
この経験を糧に、学生たちがどのような成長を今後みせてくれるのかが楽しみな講演となりました。
 

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)06

講義の最後に本学学生に向けた宮下氏のメッセージ

宮下洋一氏特別講義(現代教養学部基礎演習)07

講義後、宮下氏に個別に質問する学生達
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