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【商学部】商学部研究発表会開催レポート

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2019年3月15日

 平成31年2月6日(水)に、商学部学術委員会主催による「平成30年度研究発表会」が開催されました。
 37年もの長きに亘って本学に勤務された松崎 英敏教授の最終講義ということもあり、当日は商学部の教員以外にも法学部や現代教養学部、さらには外部からの参加者もあって大変盛況でした。
 講義の最後には、法学部 柴田 優子先生と、現代教養学部 峯 真衣子先生から花束が贈呈されました。

 以下、研究発表の概要を記載します。

【発表者1】大澤 一雄 教授

タイトル:「エリッヒ・シェーアの勘定論」

大澤 一雄 先生の発表の様子 「1871年に統一ドイツとしてのドイツ帝国が成立した。この成立の経済的な事情には、当時のドイツには領邦経済の枠が存在しており、これが経済的発展を妨げるものと考えられており、幾つかの領邦間で「関税同盟」が結成され、同盟に加盟する領邦が増加することによって次第にドイツが経済的統一へと向かうこととなった。
 このような統一のプロセス担い手としてのブルジョアジー勢力が登場した。19世紀後半以降、ブルジョアジー勢力は、それまでの「年季奉公・商業補助人制度の慣習」と言った商業教育とは異なる、「より高い商業教育」を求め始めた。こうした欲求が「商科大学の設立運動」として現われた。
 1898年、ライプチッヒにドイツ最初の商科大学が設立され、中心的な学科の名称は、商業経営学であった。1906年、ベルリン商科大学が設立されると、チューリッヒ大学からベルリン商科大学へと移り、中心教授となった。1911年まで、『一般商業経営学』の改訂を進めた。
 シェーアの研究は、会計上の問題、特に簿記および貸借対照表の問題に始まり、物的二勘定系統学説を提唱した。特に、1913年に公表された「帳簿記帳の原理」は、大学における授業での「教員と学生のやりとり」形式の中から当時ドイツにおいて求められていた会計研究の成果を示すものと考えられると同時にシェーアの商業教育の内容を示すものと考えられる。今回の「シェーアの勘定論」では、後の会計学上の研究の基礎となるシェーアの研究の端緒にふれ、高度な商業教育が求められて背景を検討した。したがって、今後、会計学的な面での発表の機会を与えられることを望みます。」(大澤)

【発表者2】松崎 英敏 教授

〈最終講義〉「T. S. エリオットの『荒地』と「伝統と個人の才能」を垣間見る」

松崎 英敏 先生の発表の様子 「エリオットは第一次世界大戦期の不安定な時代に正確な詩の表現を追い求めた人でしたが、そのことがモダニズムの流れへとつながる一因ともなりました。ところが、彼の作品の『荒地』は全く正確さに欠けるように見えます。しかし、その注釈を手にしてみるとそこには壮大なスケールと緻密な思考の痕跡が垣間見え、その正確さに驚かされます。『荒地』の3年前に彼は「伝統と個人の才能」という評論を発表しています。そこで彼は信念ともいえる伝統論と非個人性論を唱えています。これは詩の正確な表現法を追求した結果生まれたものです。『荒地』はその信念を忠実に具体化した作品であったのです。エリオットはいわば有言実行の人でもあったのです。」(松崎)

松崎 英敏 先生 松崎 英敏 先生

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