学校法人中央学院
    School corporation Chuo Gakuin

      理事長挨拶

      2022(令和4)年1月 理事長メッセージ

      学校法人中央学院の学校起源について

      寅年は飛躍の年と言われています。小生も寅年生まれです。皆様の支えを礎に一層の精進を重ねてまいります。
      今回は、大切な学校法人中央学院の学校起源(1900(明治33)年10月1日)について述べます。学校起源から、すべての法人の歴史が始まり、2025(令和7)年には創立125周年を迎えるからです。

      【1】学校法人中央学院の学校起源に関する新しい理事会決定事項

      さて、2021(令和3)年4月28日学校法人中央学院理事会において、下記の理事長提案が満場一致で可決・承認されました。
       
      (1)学校法人中央学院の「学校起源年」は、日本橋簡易商業夜学校が創立された1900(明治33)年とする。
      (2)「学校起源日」は、1900(明治33)年10月1日(日本橋簡易商業夜学校開設日)とする。
      (3)2017(平成29)年5月31日の理事会報告事項での「1902(明治35)年を創立年とする」は、本日の決議をもって1900(明治33)年にこれを修正する。
      (4)現在の大学・高等学校の各学校の創立記念日(旧中央商業学校創立記念日1902(明治35)年5月5日)はこれを尊重し、学校法人中央学院の「学校起源日」と区別する。
      (5)大学・高校での学校法人中央学院の「学校起源日」の祝日等の取り扱いは、各学校の自主的な判断に委ね、まず緩やかにこれを運用していく。

      【2】学校起源と教育理念

       学校の創立を学校法人中央学院の教育起源とすれば、その歴史は1900(明治33)年日本橋簡易商業夜学校創立に遡ります。この日本橋簡易商業夜学校の創立は、早稲田実業学校が開校される1年前のことと言われています(※1)。
       建学の目的は、近代国家建設の日本経済を支える国際的商業人の育成にありました。教育の精神は、当時の日本銀行を中心に商業・金融中心地である日本橋の呉服商や薬種商、飲食業、金融・運輸業等に従事する若い人々に、イギリスの紳士教育をモデルにした実学教育に東洋の仏教的商業倫理観を習得させることにありました。
       西欧の近代思想を背景にした実学教育(実利主義)と 日本人としての仏教倫理教育(徳目主義)との融合(「中庸」)が「中央」の呼称の基にありました。学校経営の特色は、「広義の宗教系の学校とはいえるが、宗教法人そのものが直接設立したいわゆる宗教学校ではなく、仕事を異にする人々の意思を結集し、宗教的にも健全な在野の精神から生まれた学校」(※2)で、この特色は現在に至るまで引き継がれています。

      【3】二つの学校起源の存在

       学校法人中央学院の学校起源の年に関しては、過去、1900(明治33)年10月1日日本橋簡易商業夜学校創立説と1902(明治35)年5月5日中央商業学校設立説がありました。ちなみに、学校法人中央学院創立60周年(1962(昭和37)年)、80周年(1982(昭和57)年)、100周年(2002(平成14)年)は、母体中央商業学校創設1902年を起点として実施された。また、中央学院大学中央高校120周年事業(2020(令和2)年)は、1900年を起算年として実施されてきています。
       2008(平成20)年、この二つの起源説の2年間をつなぐ貴重な物証が出現しました。それは、両校の関係を記した明治36年学生論文集-「專修部・校友會編『會報』」(※3)(参考資料①。以降、『會報』と称す。)-の発見でした。2008年当時理事長の吉野賢治氏より当時学長であった椎名市郎は、この実物資料の提供を受け内容を検討しました。
       この『會報』によれば、1900年設立の日本橋簡易商業夜学校が、その後、校舎の狭隘を理由に京橋区の旧商船学校跡地に校舎を移転したこと、校舎移転と同時に文部省甲種認定を受け、中央商業学校に校名変更をしたことが記されていました。ここまでの歴史は、『會報』を見なくても我々関係者の周知の事実でした。

      【4】日本橋簡易商業夜学校と中央商業学校との関係

       『會報』で新たに発見されたことは、1900年創立の日本橋簡易商業夜学校の学生がこの移転・改名措置を「嘆涙を呑んでやむなく受け入れ」(※4)、中央商業学校夜間部に(編)入学をしたと記されている(※5)ことにありました(参考資料②)。つまり、日本橋簡易商業夜学校の学生は、後の中央商業学校の卒業生でもあったことです。
       創立者7名は、まず暫定的な準備学校である日本橋簡易商業夜学校を創立し、次いで本格的(文部省甲種認定)な中央商業学校を設立したのでした。日本橋簡易商業夜学校と中央商業学校の関係は両者一体であり、学校名こそ異なりますが、現代で言えば同一法人(※6)の運営であったといえます。
       これを裏付けるように、法人100周年記念誌『中央学院100年史』では、「日本橋簡易商業夜学校と中央商業学校の学校経営は引き続き校主・高楠順次郎、校長・南岩倉具威、主監・梅原融の布陣」であったと記されています(※7)。日本橋簡易商業夜学校創立の主要メンバーが、引き続き、中央商業学校を創設したことになります。
       加えて、上記のように中央商業学校在校生に日本橋簡易商業夜学校の学生が(編)入学で在籍し、中央商業学校を卒業していたことも明らかとなりました。まさに、法人の学校起源は1900年であることが再確認されたのです(※8)。

       

      【5】理事会決定の背景にある理事長の想い

       ただ、問題は2017(平成29)年5月31日の理事会・報告事項で「1902(明治35)年を創立年とする」と議事録に記されていることでした。私は、勉強不足で理事長になるまで、この確認事項の存在を知りませんでした。これを報告事項ではなく、きちんと審議事項として取り上げて、「学校起源年月日」を1900(明治33)年10月1日(日本橋簡易商業夜学校開設日)を法人の学校起源と修正したのが昨年の理事会決定でした。
       日本橋簡易商業夜学校の1900年から中央商業学校の1902年のこの2年間は、先人が辛酸をなめ幾多の苦難を乗り越えて学校を創立した時期でもあります。法人の歴史上、極めて重要な胎動期といえるでしょう。法人関係者は、この創立者達の2年間の艱難辛苦の努力を末永く讃え、深謝する意味でも法人の学校起源は1900年でなければならないとするのが私の強い信念で、その想いが2021(令和3)年4月28日理事会の理事長提案でした。
       ここに、2021(令和3)年4月28日学校法人中央学院理事会において、「学校起源年月日」を1900(明治33)年10月1日(日本橋簡易商業夜学校開設日)とする理事長提案が満場一致で可決・承認された所以があります。「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ(ビスマルク)」という諺があります。学校創設122年を迎えた今年も、歴史から新しい多くのことを学ぶことができると思います(※9)。
       

      2022(令和4)年1月11日
      第11代理事長 椎名市郎

      ※1 中央学院八十年史刊行部会編『中央学院八十年史』(学校法人中央学院)、1982(昭和57)年、59頁。
      ※2 中央学院八十年史刊行部会編、同上書、63頁。
      ※3 校友會・專修部編『會報』第壹号、1903(明治36)年5月25日発行。
      ※4 校友會・專修部編、同上『會報』、一頁。
      ※5 日本橋簡易夜学校から中央商業学校夜間部に(編)入学した中央商業高校第3期生杉田勇吉氏の当時の学生時代の回顧が紹介されている。中央学院八十年史刊行部会編、前掲書、64頁、77~78頁。
      ※6 私立学校令(明治32年8月3日)のもとでの「実業学校令」第六条には「私人ハ本令ノ規定ニ依リ実業学校ヲ設置スルコトヲ得」と規定されている。
      <文部科学省 実業学校令(明治三十二年二月七日勅令第二十九号)はこちら
      明治の創設期には学校法人の法律上の概念も規程も存在していない。当時は設立者数名による私人の共同経営形態であり、代表者名(校主・高楠順次郎)が登録されるのみであった。
      ※7 中央学院百年史編集委員会『中央学院100年史』(学校法人中央学院)、2002(平成14)年9月、37頁。引用文中の括弧書きは椎名市郎が挿入。
      ※8 この当時、法律的には学校法人の概念は存在しないが、歴史の中で生成・消滅した学校の変遷を、法律の枠を超えて統一的に把握する概念として、法人の概念を援用せざるを得ない。学校の創立を法人の学校起源と解するのはこのためである。
      ※9 本メッセージは、佐藤英明・佐藤寛・椎名市郎稿「中央学院大学『現代教養学部』設置の経緯と趣旨(上)」、『中央学院大学現代教養論叢』(創刊号、2019(令和元)年3月)所収の上巻―椎名市郎担当文責部分154~162頁を大幅に編集しなおして、2021(令和3)年4月28日学校法人中央学院理事会に椎名が提案した資料「学校法人中央学院の学校起源と建学の精神」(1~17頁)を縮小版として書き改めたものである。 

      會報第壹号

      (参考資料①―明治36年学生論文集-「專修部・校友會編『會報』表紙」)

      會報発刊の辞

      (参考資料②―明治36年学生論文集-「校友會・專修部編『會報』1頁、本文中の 線は椎名が挿入」)
      2021(令和3)年4月 理事長メッセージ
       学校法人中央学院の学校起源は、今から121年も前にさかのぼります。1900(明治33)年、東京の中心・日本橋に「日本橋簡易商業夜学校」を設立したのが教育の始まりです。その後、中央商業学校、中央工業学校、さくら幼稚園、中央中学校、中央商業高等学校、中央商業高等学校通信制、中央商科短期大学、徳山大学設立などを経て、現在は中央学院大学、中央学院大学中央高等学校、中央学院高等学校を擁する学校法人です。

       「中央学院」の『中央』は、社会・文化・教育の中心・中央を志向する創立者の一人、高楠順次郎の強い意識の表れと伝えられています。物事の本質を右か左かという偏向を退ける学問姿勢と多くの異質なもののなから共通するところを探りあて社会の中心となる合意形成やニュートラルな姿勢で中央の真理を探究する「中庸」の精神が込められていると言われています。
       

      椎名理事長2020

      椎名市郎 理事長
       建学時の教育理念は、日本人としての仏教倫理教育(徳目主義)と西欧の近代思想を背景にした実学教育(実利主義)の融合(「中庸」)にありました。この伝統を引き継いで、中央学院大学(千葉県我孫子市)は、大学院商学研究科(修士課程)、商学部、法学部、現代教養学部が開設されています。学校起源の精神は、現在の「公正な社会観と倫理観の涵養」という大学建学の精神に引き継がれ、大学は56年目の充実期に入りました。

       また、大学の母体となる中央学院大学中央高校(東京都江東区)は、2020(令和2)年創立120周年記念式典を挙行いたしました。中央学院高校(千葉県我孫子市)においても、2020(令和2)年設立50周年記念式典が行われました。大学と二つの付属高校との教育連携は、学長と両校長との間で開催される「学校長会議」で意見交換がなされ、理事会に提言できる環境が整っています。

       さて、「学校法人中央学院 中・長期計画 第2期中期計画」が、2021(令和3)年3月24日評議員会の意見を聴き、同日、理事会決定されました。第2期中期計画の本質は、教育事業の改善にあり、その焦点は教育に携わる人間の意識改革にあると考えています。そして、第2期中期計画は、学生・生徒・保護者・地域社会などのステークホールダーの期待に責任を果たす決意表明であることも忘れてはならないと思います。

       それにしても、人間の絆を裂き、社会に悲しみと混乱を引き起こしたコロナ禍にあって、私たちは智慧と科学の力を駆使して、これを乗り越えようとしています。多くの犠牲の上に形成される新しい社会(ニューノーマル)では、いかなる場面でも教育の歩みを止めない遠隔・オンラインやオンデマンド授業等を開発し、対面授業とのハイブリッド型教育を実現しようとしています。それは、困難に打ち勝つ生きる力の養成こそが本当の教育であることを教えてくれているかのようです。

       121年続く不変の原則の遵守と時代とともにその原則を進化・発展させる中央学院の中央の精神を大切に、今後も教育事業に邁進してまいります。

      2021(令和3)年4月1日
      第11代理事長 椎名市郎
      学校法人中央学院 理事長 就任について<2020(令和2)年12月>

      学校法人中央学院 理事長 就任について

      平素より本学の教育・研究活動に関しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
      学校法人中央学院は、2020(令和2)年12月1日(火)に新理事会を開催し、理事の椎名 市郎(しいな いちろう)を新理事長として選任いたしましたのでお知らせいたします。
                                                   2020(令和2)年12月1日
      学校法人中央学院

      椎名市郎理事長

      【理事長就任の挨拶】
      この度、理事長に選任して頂きました椎名市郎でございます。
      浅学非才な者をこうして理事長として理事会にご推薦をいただいた方と、本日ご承認をいただきました理事の皆々様に厚く御礼申し上げます。
      学校法人中央学院の初代理事長は大平正芳元内閣総理大臣、そこから数えて9人目の理事長となります(中央学院以前は中央教育財団)。
      120年(1900年・明治33年創立)の歴史と伝統を有する当法人は、前理事長までは法人母体である中央商業高校の出身の大先輩がここまで大過なく運営をしていただきました。本日、53年の歴史の中央学院大学出身者がこうした大役を仰せつかることに対し、その責任の重さに身が引き締まる思いであります。
      120年の法人の歴史は平坦な歴史ではございませんでした。むしろ、苦難に満ち辛酸をなめて生き抜いてきた歴史でございます。現下の世界中を覆う新型コロナウイルス感染症による非常事態の中で、伝統を引き継ぎ、新たなる教育価値創造に向けて英知を結集したいと思います。
      そのためには、中央学院大学学長、中央学院大学中央高等学校並びに中央学院高等学校の両校長先生はじめ現場の教職員の皆様のご意見を基礎に、理事・評議員、監事、顧問・参与のご指導を仰ぎ、法人運営をしてまいります。
      今後ともご指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
      <2020(令和2)年12月1日理事会席上にて>