CGU NEWS
2024.05.27
現代教養学部

中川ゼミ「椎名理事長インタビュー」実施報告

5月23日(木)、現代教養学部 中川淳司教授のゼミ生が椎名市郎理事長へインタビューを行いました。
中川ゼミでは、ゼミ生による我孫子市のガイドブック「Abiko magazine」を定期的に発行しており、今回は「Abiko magazine」の企画のひとつとして、椎名理事長へお話を伺いました。
冒頭、椎名理事長より現代教養学部3年小山敦啓さんと中村亘汰さんに対して次のような挨拶がありました。
「今回、中川淳司先生ゼミナール編纂“Abiko Magazine Vol.4”にインタビューの機会を与えて下さり、有難うございます。我孫子市の歴史・文化・生活環境を丹念に掘り起こし、小冊子にまとめ上げる企画力、取材力、編集力に敬意を表します」
続いて、小山さん・中村さんから椎名理事長に以下の質問がなされ、個々に理事長より回答がなされました。
以下、インタビューの様子と内容です。

1.来年2025年に中央学院は学校創立125周年を迎えます。大学はどのような行事を予定していますか。
中央学院大学の源流は、明治33(1900)年日本橋簡易商業夜学校(今の専門学校)にあります。令和7(2025)年10月1日学校創立125周年を迎え、その翌年令和8(2026)年は大学創立60周年となります。
125周年記念事業は、「建設部会」、「周年史部会」、「寄付金部会」に分かれて、それぞれ3つの学校の事業計画に基づき着実に遂行しています。皆さんに関係のあるところでは、学生会館Via中庭のウッドデッキ整備に加え、現在は、次世代型DXデジタル新図書館構想計画が完了し、設計準備段階です。
また、母校の名誉を抱き、恵まれない練習環境や老朽化した寮で箱根路を23回も駆け抜けてくれた選手に感謝の気持ちで、6月に駅伝部学生寮が完成をします。同様に、第52回明治神宮野球大会で全国優勝した大学硬式野球部の、老朽化した室内練習場や更衣室改築、さらには今年の春の選抜高校野球大会にベスト4まで進出した中央学院高校野球部の雨ざらしの更衣室の整備などが予定されています。
このように、125周年事業の本当の意味は、本学を選んでくれて、世紀を越えて学校の歴史を絶やすことなく綴ってくれた学生・生徒の皆さん、卒業生の方に感謝をすることにあります。そして、さらなる発展を期すことが125周年事業の本義です。
20240523中川ゼミ_理事長インタビュー⑥建学の精神を背景にインタビュー
20240523中川ゼミ_理事長インタビュー④現代教養学部3年 小山敦啓さん
2.現代教養学部は新しい学部です。どのような期待を抱いておられますか。
「現代教養」の意味は、「現代を生き抜く力」ということです。予測不能の激動する社会では、尖った専門性も大切ですが、専門知識は時代の変化で陳腐化します。これからの高等教育は、いかなる変化にも柔軟に対応できる幅広い教養を身に着けることが必要です。
文部科学省はこれを「21世紀型市民」養成と表現し、大学教育の目標としています。現代教養学部はその期待の上に設置されています。大学キャンパスでは教養知識を学び、大学外の我孫子市や社会のキャンパスでは実践知識の体験をすることが「現代教養」です。中川ゼミの皆さんはこの現代教養学部の期待に立派に応えてくれていると思います。
3.中央学院大学の財政の状況、資金調達計画について、一番力を入れておられること、課題は何ですか。
財政の状況は、人間と同じで大学の「体力」、「知力」、そして「血流」を意味します。企業では、体力を「貸借対照表」、知力を「損益計算書」、そして血流を「キャッシュフロー計算書」で表示します。
私が一番注視しているのが「血流」を示す‟Cash Flow″です。体力があっても、頭が良くても血液の流れが止まれば生きていけません。今日の皆さんの生活でも、財布やスマホにいくらのキャッシュがあるかが行動するにあたり最大の関心事になることと同じです。
質問の資金調達は、このキャッシュをどこから持ってくるかを意味します。大学は、授業料等学生納付金、補助金、寄付金、そして株や債券の資産運用から資金を調達しています。学長は授業料・補助金に見合う教育の充実が業務の主眼ですが、理事長は授業料・補助金の計画的有効利用と戦略的寄付金の活用や安全な資産運用に責任があります。
20240523中川ゼミ_理事長インタビュー⑤現代教養学部3年 中村亘汰さん
20240523中川ゼミ_理事長インタビュー③椎名市郎理事長
4.中央学院大学の強みは何でしょうか。
意思疎通や意思決定をするには規模が大きくもなく、小さくもなく適度の大きさが大学の強みです。しかも、大学の源流は125年の歴史を持って風雪に耐えて大学にまで進化をしています。最大の強みは、キャンパスが一つなので学生・教職員の進むべきベクトルの形成がしやすいことにあります。時代の変化に対応する改革のしやすい強みがあります。
歴史上、大きな城は内部の分裂で崩壊しました。戦国時代は小さな城の守りも難しいものがありました。しかし、ほどほどの規模の城は内部の意思統一が可能で、敵に対して強さを堅持できました。この大学の規模だから学生と教職員の距離も近く、多くの方に「アットホームな大学」とよく言われます。
5.理事長としてのお仕事の内容と1日のスケジュールを教えてください。
法人事務室という私の活動を支援してくれている秘書的存在の方が私の面談や業務の記録を毎月集計してくれています。月曜日から木曜日まで大体、朝の9時前には理事長室に入り、一日平均延べ15名前後の学内外の来訪者との面談や業務相談を受けます。
仕事の内容は、業務の最終決済者ですので多方面に及びます。そのため、業務はできる限りその日に処理するよう心がけています。毎週の会議を経て月末には、理事会(最高意思決定機関)を招集し、事業計画、予算編成方針、予算書、事業報告書、決算書、理事長業務報告書、人事・総務・規程改正等、総括的な法人業務の審議を行います。

6.お仕事の上での信条をお聞かせください。
創立者の一人、高楠順次郎(元帝国(東京)大教授・東京外国語大学学長・東洋大学学長)が述べたと歴代校長が語り継いできた言葉が、下記の建学の精神です。ここには、人間が幸せになるすべての要素が含まれていると思います。正に「現代教養」の心得を象徴する心訓です。
「誠実に謙虚に生きよ
温かい心で人に接し
奉仕と感謝の心を忘れるな
常に身を慎み 反省と研鑽を忘れるな」

学生時代は、「山は動かず」という言葉が好きでした。大学から見える筑波山が人生の目標や生きがい、人生を豊かにしてくれる就職先や友人・異性であったとすると、それを得るためには自分が山に向かって動いて苦労して勝ち取らないと、筑波山からは絶対近づいてきてはくれないという意味です。

7.理事長に就任されたときは新型コロナウイルス感染症が流行していました。そのときはどのようなご苦労がありましたか。
今年卒業した学生さんは1年生の時に入学式がなく、しかもリモート授業でキャンパスでの授業も受けられませんでした。理事長として本当に申し訳ない気持ちで一杯でした。3月の卒業式でも皆さんにお詫びをしました。
コロナ禍では、大学を預かる学長が一番ご苦労をしたと思いますが、理事長も重要な会議が招集できず、意思疎通に苦しみました。まず、トップが感染をしないように、普通の列車から自費で新幹線やグリーンに乗車したりして、感染対策には気を付けました。

8.理事長になられる前はどのようなお仕事をされていましたか。
1972年本学を卒業して、副手(事務の補助)、助手(教員の補助)、講師、助(准)教授、教授、商学部長4期、学長2期8年と教職47年の歴史を終えて2020年退任しました。並行して、2004年より法人理事(現代教学部設置担当理事含む)、法人評議員を歴任し、2020年理事長に就任、この11月30日で4年1期が満了します。
母校が出来の悪い私を拾ってくれて、ここまで育ててくれて、その感謝とご恩返しの日々を過ごしています。
現代教養学部 中川ゼミの紹介ページはこちら
20240523中川ゼミ_理事長インタビュー②インタビューの様子
20240523中川ゼミ_理事長インタビュー⑦理事長から125周年記念品の贈呈

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