CGU NEWS
2024.12.25
法学部

平和学特別講義「ツーリズムの光と影」実施報告

12月2日(月)、法学部 川久保 文紀 教授の授業「平和学」において「ツーリズムの光と影:ボーダーツーリズムの意義」と題する特別講義を実施しました。

講師を務めた伊豆芳人氏(ボーダーツーリズム推進協議会会長、元ANAセールス(株)常務取締役)は、ツーリズムに関するコンサルタント業務や地方自治体及び大学などでツーリズム関連のセミナーや講演を行われており、日本におけるボーダーツーリズム(国境観光)の推進役です。
平和学特別講義ツーリズムの光と影①伊豆 芳人 氏
まず、旅の始まりとしての巡礼や権力者の施策としての道・街道の建設(ローマ街道や江戸時代の参勤交代など)は、平和かつ安全であることが大前提と話されました。第一次世界大戦や第二次世界大戦における航空戦力の導入は、大きな惨劇を世界中に生みましたが、戦後の民間航空産業の発展と比例する形でツーリズムが飛躍的に拡大した経緯を分かりやすくたどっていただきました。そして、世界が大交流時代を迎え、日本も観光立国政策を推進するなかで、新型コロナウィルスの蔓延、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻、グローバル規模での自然災害の発生などのイベントリスクは、ツーリズムの振興にとって脅威であり、こうした世界の「影」を「光」に変えていく力をツーリズムに見出すことができるのかと問われました。

伊豆氏は日本の境界地域を数多く訪れた経験から、境界地域は、(たとえ越えなくても)国境線の向こう側にある他国の文化や生活に触れることのできる貴重な観光資源であり、ボーダーツーリズムの推進によって地域の平和と安定につながるのではないかと述べられました。
平和学で学んだ戦争の歴史を踏まえた今回の特別講義は、学生たちにとって刺激的な時間になりました。
平和学特別講義ツーリズムの光と影②
平和学特別講義ツーリズムの光と影③
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