CGU NEWS
2025.09.08
法学部

大久保ゼミ「館山セミナーハウス合同合宿」実施報告

9月3日(水)~5日(金)の2泊3日で法学部の大久保ゼミの2~4年生(基礎演習II、専門演習I、専門演習II)が館山セミナーハウス(千葉県館山市)にて合同合宿を行いました。

合宿1日目は、館山へ向かう前に、希望者は千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。傍聴した事件は、短期ビザしかないのに就労目的で入国し、農作業の手伝いをしていた入管法違反事件でした。最近多い外国人犯罪ですが、成田空港のある千葉県は特に多いようです。法廷通訳を介して裁判が行われました。結局、被告人は執行猶予付きの拘禁刑となりましたが、日本が好きで日本に来た被告人が、二度と日本に来ることができないことに、複雑な思いをしたゼミ生がいたようです。
20250908大久保ゼミ合宿③
館山に移動後、館山セミナーハウスにて2年生による模擬裁判を行いました。事件は、免許を持たない被告人が原動機付自転車のエンジンをかけずに坂を下ったことが、無免許運転となるかというものです。判決はゼミ生の多数決で決めましたが、なんと、ゼミ生数は偶数だっため、半分に割れてしまいました。裁判長役のゼミ生に決めてもらった結果、被告人は無罪となりました。

2日目の午前は、3年生の民法判例研究発表、4年生の卒業論文テーマ発表、そして、大久保先生の講義を行いました。
20250908大久保ゼミ合宿⑥
3年生の1人目は、債権譲渡に関するものでしたが、きちんと調べつつも、まだ債権法総論の授業で習っていない2年生にもわかるような発表をしていました。2人目は、遺贈と公序良俗に関するもので、民法総則と家族法にまたがる難しくも面白い判例の発表でした。両名とも図書館などで資料をしっかり調べた成果が感じられました。

次に、4年生の卒業論文テーマ発表は、「非嫡出子について」でしたが、民法だけでなく憲法の問題も絡む難しいものでした。ここで、2年生から「歴史的経緯を踏まえると分かりやすくなるかも」という意見が出るなど、学年を超えた活発な議論が生まれました。まさに合同合宿ならではの意義ある交流でした。
そして、大久保先生の講義では「契約の成立について」、従来とは異なる理論構成を試みるものでしたが、興味を持つゼミ生が多く出てきました。
20250908大久保ゼミ合宿⑤
午後には、3年生と4年生は全員、館山が初めてでしたので、館山城と館山市立博物館を見学しました。館山城は、南総里見八犬伝の博物館ですが、南総里見八犬伝のことを初めて知ったという千葉県民のゼミ生もいて、地元の歴史に触れる貴重な機会となりました。また、館山市立博物館では、「里見義康借金証文」の展示を見て、午前中の講義で出てきた消費貸借契約(お金などを貸し借りする契約)が出てきて復習になったというゼミ生もいました。
夕方から予定していたバーベキューは、雨予報で中止としましたが、通常の夕食を合宿打上げとしました。夕食後、館山を舞台とする映画を鑑賞し、その後もゼミの先輩後輩分け隔てなく話をするなど、夜まで交流が続きました。

3日目は台風で大雨となり、各地で交通機関の乱れなどがありましたが、幸い、内房線などは定刻で動き、ゼミ生たちは無事帰宅できたようです。

今回の合宿では、悪天候の影響で予定変更もありましたが、コロナ禍などで中断していた大久保ゼミ恒例の館山での2年生・3年生・4年生の合同合宿が再開できました。
今後もこのような合同合宿を継続し、ゼミ生同士が互いに学び合い、高め合える場を築いていければと思います。

20250908大久保ゼミ合宿⑦
20250908大久保ゼミ合宿②
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