CGU NEWS
2026.01.13
法学部
大久保ゼミ 特別講演会「性別違和(性同一性障害)についての法的諸問題」実施報告
12月19日(金)、大久保ゼミの2年生(基礎演習II)の時間に、3年生(専門演習I)と4年生(専門演習II)も参加して、商学部 非常勤講師 野間紗也奈先生の特別講演会を実施しました。
野間先生は、商学部で民法総則、物権法、債権法総論、債権法各論の各講義を担当されていますが、ご専門は、性同一性障害についての研究です。
講義の冒頭では、体の性別と心の性別とが異なる方がいることを、芸能人を例にあげて説明されました。こうした方々が社会に一定数いることを受け、精神疾患として認識され、必要に応じて身体的な性別の移行を支援する医療が提供されるようになったという経緯について紹介されました。
野間先生は、商学部で民法総則、物権法、債権法総論、債権法各論の各講義を担当されていますが、ご専門は、性同一性障害についての研究です。
講義の冒頭では、体の性別と心の性別とが異なる方がいることを、芸能人を例にあげて説明されました。こうした方々が社会に一定数いることを受け、精神疾患として認識され、必要に応じて身体的な性別の移行を支援する医療が提供されるようになったという経緯について紹介されました。
商学部 非常勤講師 野間紗也奈 先生
こうした方々について、戸籍上の性別の変更を認める「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が2003年に成立し、翌年施行されたことは、ゼミ生たちと予習していたところです。
体の性別と心の性別が異なる方の中には、必ずしも身体的な治療を望まない方もいます。そのため、現在では「性同一性障害」ではなく「性別違和」という表現が用いられるようになりました。さらに、いったん戸籍上の性別を変更した後、元の性別に戻すケースもあるそうです。
体の性別と心の性別が異なる方の中には、必ずしも身体的な治療を望まない方もいます。そのため、現在では「性同一性障害」ではなく「性別違和」という表現が用いられるようになりました。さらに、いったん戸籍上の性別を変更した後、元の性別に戻すケースもあるそうです。

同法では、戸籍上の性別の変更に5つの要件を定められていますが、そのうちの生殖不能手術をすることについては、2023年に最高裁判所が憲法違反であると判断しています。また、変更先の性別の外観に近づける手術を義務づける要件についても、2025年に札幌家庭裁判所と広島高等裁判所が、手術を受けていなくても戸籍上の性別変更を認める判断を示しました。こうした状況を踏まえ、性別変更の5要件のうち、他の要件についても必要性を検討する余地があるのではないかという問題提起がなされました。
最後に、性別に違和感を抱く方を含め、誰もが自分らしく生きられる社会を目指していきたいというメッセージで、講演は締めくくられました。
最後に、性別に違和感を抱く方を含め、誰もが自分らしく生きられる社会を目指していきたいというメッセージで、講演は締めくくられました。

講演の最後には、活発な質疑応答が行われました。ここでは、その一部をご紹介します。
2年生からは、「そもそも戸籍の性別を決めるのは、出生時でなくてもよいのではないか」という問題提起がされました。これに対して野間先生は、性別を決めておかないと社会生活に混乱しかねないこと、また成長の過程では性自認が揺れ動くこともあるため、同法に定められた18歳という年齢要件は必要ではないかと答えられました。
3年生からは、「性別変更を認めると、お手洗いや公衆浴場に異性が入ってくるのではないか、また盗撮や性暴力が増えるのではないか」という問題提起がされました。これに対して、野間先生は、女性のお手洗いはもともと個室で構成されているため、異性が入ってくることに問題はあまり起こらないと答えられました。さらに、公衆浴場の問題については、「入れ墨の方の入浴お断り」としている例と同様に、社会がどのように受け入れるかという観点から、戸籍の問題とは別に考えればよいのではと述べられました。盗撮や性暴力については、そのような犯罪が増えるのではないかという不安があっても、実際に増加するかどうかは別問題であると指摘されました。関連して、家制度を廃止した当時もさまざまな議論があったものの、社会が少しずつ受け入れられてきた経緯があること、そして法律は社会の後追いするものであることにも触れられました。
非嫡出子の問題を卒業論文のテーマとしている4年生からは、同法に定められている「婚姻をしていないこと」および「未成年の子がいないこと」という要件は、本当に必要なのかという問題提起がありました。これに対し野間先生は、婚姻要件については子の認知などの法的整理が関わること、また未成年の子に関する要件については、すでに性適合治療を進めている場合には子どもがその状況を理解していることも多く、要件としての実効性が乏しいことから、この指摘に賛同されていました。
今回の特別講演を通じて、「性同一性障害」という言葉自体が古く、今は「性別違和」ということや、最近の裁判の例を紹介してくださったことなど、最新の研究について勉強することができました。
現在、大久保ゼミ2年生(基礎演習II)は、男性が被害者となる盗撮事件の模擬裁判の台本作りを進めていますが、今回の特別講演を模擬裁判にも活かしていこうと思います。
2年生からは、「そもそも戸籍の性別を決めるのは、出生時でなくてもよいのではないか」という問題提起がされました。これに対して野間先生は、性別を決めておかないと社会生活に混乱しかねないこと、また成長の過程では性自認が揺れ動くこともあるため、同法に定められた18歳という年齢要件は必要ではないかと答えられました。
3年生からは、「性別変更を認めると、お手洗いや公衆浴場に異性が入ってくるのではないか、また盗撮や性暴力が増えるのではないか」という問題提起がされました。これに対して、野間先生は、女性のお手洗いはもともと個室で構成されているため、異性が入ってくることに問題はあまり起こらないと答えられました。さらに、公衆浴場の問題については、「入れ墨の方の入浴お断り」としている例と同様に、社会がどのように受け入れるかという観点から、戸籍の問題とは別に考えればよいのではと述べられました。盗撮や性暴力については、そのような犯罪が増えるのではないかという不安があっても、実際に増加するかどうかは別問題であると指摘されました。関連して、家制度を廃止した当時もさまざまな議論があったものの、社会が少しずつ受け入れられてきた経緯があること、そして法律は社会の後追いするものであることにも触れられました。
非嫡出子の問題を卒業論文のテーマとしている4年生からは、同法に定められている「婚姻をしていないこと」および「未成年の子がいないこと」という要件は、本当に必要なのかという問題提起がありました。これに対し野間先生は、婚姻要件については子の認知などの法的整理が関わること、また未成年の子に関する要件については、すでに性適合治療を進めている場合には子どもがその状況を理解していることも多く、要件としての実効性が乏しいことから、この指摘に賛同されていました。
今回の特別講演を通じて、「性同一性障害」という言葉自体が古く、今は「性別違和」ということや、最近の裁判の例を紹介してくださったことなど、最新の研究について勉強することができました。
現在、大久保ゼミ2年生(基礎演習II)は、男性が被害者となる盗撮事件の模擬裁判の台本作りを進めていますが、今回の特別講演を模擬裁判にも活かしていこうと思います。