CGU NEWS
2026.09.11
法学部

大久保ゼミ 「江の島合同ゼミ合宿」実施報告

9月2日(水)~4日(金)の2泊3日で法学部の大久保ゼミの2~4年生(基礎演習II、専門演習I、専門演習II)が江の島(神奈川県藤沢市)で合同合宿を行いました。

合宿1日目の午前中は、横浜地方裁判所で裁判傍聴を実施しました。当日は窃盗事件と占有離脱物横領事件の2件の事件を傍聴しました。いずれも被告人にギャンブル依存症やADHDといった課題が関わる事案であり、単に刑罰を科すだけでなく、いかに社会復帰を支援すべきかという法的な課題について深く考えさせられる貴重な機会となりました。
裁判傍聴後は、合宿場所の江の島に移動し、2年生を中心に模擬裁判の練習をしました。
2026年度大久保ゼミ合宿01横浜地方裁判所
2日目は、2年生の模擬裁判「殺害して天罰下る葉書」を実施しました。
模擬裁判の事件内容は、経済的に困窮した被告人が、琵琶奏者に経済的支援を求める手紙等を送ったが無視され、「殺害して天罰下る」などと不明確な文を書いた葉書を送ったことが、脅迫罪にあたるかどうかというものです。
参考判例は、地方裁判所が無罪、高等裁判所が有罪判決を出しています。模擬裁判の判決は、ゼミ生の多数決により、全員有罪の判断となりました。

続けて、3年生の民法判例研究発表をしました。契約不適合責任(瑕疵担保責任)の判例についての発表でしたが、昨年同じ判例研究発表をした4年生から、さまざまな指摘を受ける結果となりました。
2026年度大久保ゼミ合宿06模擬裁判の様子
その後、4年生2名の卒業論文テーマ発表をしました。1人目は「憲法の人権と民法の公序良俗との関係について」、2人目は「民法94条2項の類推適用について」をテーマに文献の読み込みや判例分析に基づいた意欲的な発表がなされ、今後の完成に向けて大きな期待が寄せられました。

2日目の午後は、大久保准教授による「転貸借契約について」の講義を実施しました。転貸借(いわゆる又貸し)は、やってはいけないことが社会常識のように言われ、民法612条もそれを前提に、賃貸人の承諾なく転貸借した場合には賃貸借を解除できることを規定しています。
2026年度大久保ゼミ合宿024年生による卒業論文テーマ発表①
これについて、民法を作った経緯をたどると転貸借禁止は当然ではないこと、そもそも債権譲渡は自由であること、判例の信頼関係理論による解除の制限は条文から離れていることなど、さまざまな問題があることを講義しました。
ゼミ生からは、「転貸借禁止がアパートの賃貸借契約書に書いてある」という指摘があり、アパートの賃貸借契約は、民法の条文や判例を前提にしていること、親子間、夫婦間、親会社・子会社間のような転貸借の場合には賃貸借を解除できないことを詳しく説明しました。実務と法理論の違いに触れることで、ゼミ生にとっても身近な契約への理解がより深まる講義となりました。
その後は、江の島ならではの食や景観を満喫する懇親会、散策をし、和やかな雰囲気の中で交流を深めました。

合宿最終日は、江ノ島電鉄沿線や鎌倉の街並みを巡る自由行動とし、観光地の賑わいや地域交通を観察するなど、現地ならではの学びに触れる機会となりました。

今年は館山セミナーハウスに代えて江の島での合宿を行いましたが、学年を超えた深い交流が生まれ、大変実りある活動となりました。

2026年度大久保ゼミ合宿034年生による卒業論文テーマ発表②
2026年度大久保ゼミ合宿05「転貸借契約について」の講義
2026年度大久保ゼミ合宿04江の島の夜景
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