THEME 04
「将来は公務員もいいかも。でも、どんな種類があるのかよくわからない」と感じていませんか?
公務員とひとことで言っても、国の仕事に関わる国家公務員、地域の暮らしを支える地方公務員、窓口業務を行う行政職、警察官や消防士のように安全を守る公安職など、さまざまな種類があります。
この記事では、公務員の種類を国家公務員・地方公務員に分けて整理し、職種ごとの仕事内容、試験の難易度、自分に合う仕事の選び方をわかりやすく解説します。
これから進路を考える高校生の方や、公務員という仕事に少しでも興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
公務員を目指すときに、まず知っておきたいのが「国家公務員」と「地方公務員」の違いです。
どちらも社会のために働く仕事ですが、担当する範囲や働く場所、転勤のしやすさなどに違いがあります。目指す公務員の種類によって、受ける試験や準備の仕方も変わるため、最初に大きな違いを押さえておきましょう。
国家公務員は、国の機関で働く公務員です。たとえば、財務省・外務省・国土交通省などの中央省庁や、裁判所、国会、税務署、労働局などで働く人が該当します。
仕事内容は、国の政策づくり、法律の運用、外交、防衛、税金、労働環境の整備など、国全体に関わるものが中心です。自分の仕事が、日本全体の制度や暮らしに関係することもあります。
一方で、勤務地は東京だけでなく、全国の出先機関や海外になる場合もあります。職種によっては転勤の範囲が広くなるため、将来の働き方も含めて考えることが大切です。
「国の仕組みに関わる仕事がしたい」「大きなスケールで社会に貢献したい」という方に向いている働き方です。
地方公務員は、都道府県庁・市役所・区役所・町村役場・公立学校・消防署など、地方自治体で働く公務員です。
国家公務員が「国全体」を対象にするのに対し、地方公務員は「地域の人々の暮らし」を支える仕事が中心です。
たとえば、住民票の発行、子育て支援、福祉サービス、道路や水道の管理、防災、観光振興、地域イベントの運営など、住民の生活に近い仕事を担当します。
地域の人と直接関わる機会も多いため、「地元に貢献したい」「地域の人の役に立ちたい」という方に向いています。
また、転勤の範囲は採用された自治体の中に限られることが多いため、地元で長く働きたい方にも人気があります。
公務員には、国家公務員・地方公務員という分け方のほかに、仕事内容による職種の違いもあります。
代表的な職種は、次の5つです。
それぞれ必要な知識や向いている人の特徴が異なるため、自分の興味や得意なことと照らし合わせながら見ていきましょう。
行政職は、公務員の中でも採用人数が多い事務系の職種です。特別な資格がなくても受験できる試験区分が多く、文系・理系を問わず幅広い人が目指しやすい職種です。
国家公務員の行政職では、省庁での政策づくり、予算管理、法律や制度の運用などに関わります。
地方公務員の行政職では、市役所や区役所などでの窓口対応、申請書類の確認、地域課題を解決するための事業運営などを担当します。
同じ行政職でも、配属される部署によって仕事内容は大きく変わります。福祉、教育、防災、観光、まちづくりなど、さまざまな分野に関われる点が特徴です。
「いろいろな分野に関わりたい」「人の相談に乗る仕事がしたい」「地域や社会の仕組みに興味がある」という方に向いています。
公安職は、社会の安全や人の命を守る仕事です。警察官、消防士、刑務官、海上保安官、自衛官などが含まれます。
事件や事故、火災、災害などの現場で働くこともあり、強い責任感や体力が求められる職種です。夜勤や交替制勤務がある仕事も多く、生活リズムが不規則になる場合もあります。
採用試験では、筆記試験や面接のほかに、体力検査が行われることもあります。そのため、勉強だけでなく、日ごろから体力づくりをしておくことも大切です。
「人の命を守りたい」「正義感を活かしたい」「体を動かす仕事がしたい」という方に向いています。
技術職は、理工系の知識を活かして働く公務員です。道路、橋、公共施設、上下水道、電気設備、行政システム、環境対策など、暮らしを支えるインフラや技術分野に関わります。
特に近年は、自治体のデジタル化が進んでいるため、ITや情報分野の知識を持つ人材へのニーズも高まっています。
「理系科目が好き」「ものづくりやまちづくりに関わりたい」「専門知識を社会のために活かしたい」という方に向いています。
福祉職は、高齢者、障害のある方、生活に困っている方、支援が必要な子どもや家庭などをサポートする仕事です。
相談に来た人の話を聞き、必要な制度やサービスにつなげたり、関係機関と連携して生活を支えたりします。人の悩みや困りごとに向き合うため、簡単な仕事ではありませんが、「困っている人の力になれた」と実感できる場面も多く、やりがいの大きい職種です。
自治体によっては、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格が必要になる場合や、資格を持っていると有利になる場合があります。
「人の話を聞くのが得意」「誰かを支える仕事がしたい」「福祉や子ども・高齢者支援に関心がある」という方に向いています。
心理職は、心理学の知識を活かして、人の心の問題に向き合う専門職です。公認心理師や臨床心理士などの資格が求められる場合があります。
勤務先は、家庭裁判所、少年鑑別所、児童相談所、公立学校、精神保健福祉センターなどさまざまです。
仕事内容は、子どもや保護者への相談支援、学校でのカウンセリング、少年非行の背景調査、地域住民のメンタルヘルス支援など、職場によって異なります。
採用人数は多くありませんが、専門性を活かして人の人生に深く関われる仕事です。
「心理学に興味がある」「人の気持ちに寄り添いたい」「心の問題を支える仕事がしたい」という方に向いています。
公務員になるには、基本的に各機関が実施する公務員試験に合格する必要があります。
民間企業の就職活動とは違い、筆記試験、面接、体力検査など、いくつかのステップを通して採用が決まります。
公務員試験は、多くの場合「一次試験」と「二次試験」に分かれています。
一次試験では、文章理解、数的処理、社会科学、自然科学などの教養科目が出題されます。技術職や専門職では、専門分野の試験が加わることもあります。
一次試験に合格すると、二次試験に進みます。二次試験では、個人面接、集団討論、グループワーク、作文・小論文などを通して、人物面や志望理由が見られます。
近年は、筆記試験だけでなく面接を重視する試験も増えています。そのため、早い段階から「なぜ公務員になりたいのか」「どんな仕事をしたいのか」を考えておくことが大切です。
公務員試験には、いくつかの試験区分があります。
よく見かける「大卒程度」「高卒程度」という言葉は、基本的には試験の難易度の目安を表します。ただし、実際に受験できる年齢や学歴の条件は、試験ごとに異なります。
受験資格を間違えると試験を受けられないこともあるため、必ず募集要項を確認しましょう。
主な試験区分は以下のとおりです。
| 区分 | 対象 | 主な試験 |
|---|---|---|
| 総合職(大卒程度) | 大学卒業見込み・卒業者など | 国家総合職 |
| 一般職(大卒程度) | 大学卒業見込み・卒業者など | 国家一般職、地方上級、市役所大卒程度 |
| 一般職(高卒程度) | 高校卒業見込み・卒業者など | 国家一般職高卒程度、市役所高卒程度 |
| 専門職 | 専門知識や資格を持つ人 | 国税専門官、福祉職、心理職など |
| 社会人経験者 | 民間企業などでの経験がある人 | 自治体の経験者採用など |
高校生のうちから公務員を考える場合は、「高校卒業後すぐに目指すのか」「大学で学んでから目指すのか」によって、選ぶ道が変わります。
「安定しているから公務員になりたい」と考えるのは自然なことです。
ただし、公務員にはさまざまな種類があり、仕事内容や働き方も大きく異なります。自分に合わない職種を選んでしまうと、働き始めてからギャップを感じることもあります。
ここでは、自分に合う公務員の仕事を選ぶためのポイントを紹介します。
同じ公務員でも、働き方は職種によって大きく変わります。
たとえば、行政職はデスクワークや窓口対応が中心になることが多い一方で、公安職は現場対応に加え、夜勤や交替制勤務が発生する場合があります。技術職も、書類作成などのデスクワークだけでなく、工事現場や施設の点検・確認のために外出することがあります。
そのため、「公務員は安定していそうだから」といったイメージだけで選ぶのではなく、実際にどんな1日を過ごす仕事なのかを考えてみることが大切です。
自治体の職場見学、先輩の体験談などを活用すると、働く姿を具体的に想像しやすくなります。
公務員を目指すうえで、勤務地や転勤の範囲も大切なポイントです。
たとえば、国家公務員は全国転勤や海外勤務の可能性がある職種もあります。一方、市区町村職員は、基本的に同じ自治体内で働くことが多いです。
「地元で働きたい」「いろいろな地域で経験を積みたい」など、自分が将来どんな暮らしをしたいのかも考えながら選びましょう。
職種選びで迷ったときは、自分の興味や得意なことから考えるのがおすすめです。
たとえば、人と話すことが好きな方は、行政職の窓口業務や福祉職に向いているかもしれません。体を動かすことが好きで、正義感が強い方は公安職に向いている可能性があります。
理科や数学、情報の授業が好きな方は、技術職という選択肢もあります。心理学や人の気持ちに関心がある方は、心理職を目指す道もあります。
「なんとなく公務員」ではなく、「どんな分野で人の役に立ちたいか」を考えることで、自分に合う仕事を見つけやすくなります。
公務員試験の難易度は、受験する試験区分や自治体、職種によって大きく異なります。
ここでは、代表的な試験区分ごとの難易度の目安を紹介します。ただし、倍率や試験内容は年度によって変わるため、実際に受験する際は必ず最新の募集要項を確認しましょう。
国家総合職は、国の政策づくりなどに関わる職員を採用する試験です。公務員試験の中でも特に難易度が高く、大学や大学院に進学してから本格的に目指すのが一般的です。
試験では、幅広い知識や考える力に加え、法律・経済・行政などの専門知識が問われる区分もあります。また、試験合格後も希望する省庁に採用されるための「官庁訪問」があるため、筆記試験だけでなく面接や省庁研究も重要です。
国家一般職は、各省庁や地方出先機関などで、国の制度や事業を支える職員を採用する試験です。大卒程度試験と高卒者試験があり、高校卒業後すぐに目指すことも、大学進学後に目指すこともできます。
大卒程度試験の行政区分などでは、法律・経済・行政などの専門試験が課されます。ただし、専門試験がない区分もあるため、受験する区分ごとに試験内容を確認することが大切です。高卒者試験の場合も、事務区分と技術系区分では試験内容が異なります。
地方上級は、都道府県や政令指定都市などの大卒程度職員を採用する試験です。地域の課題解決や住民サービスなどに関わる仕事を目指す人に向いています。
試験内容は、教養試験、専門試験、論文、面接などが中心ですが、自治体によって内容や配点は異なります。人気の高い自治体では倍率が高くなることもあるため、志望先に合わせた対策が必要です。
市役所職員試験は、市役所で住民に近い行政サービスを支える職員を採用する試験です。高卒程度と大卒程度の両方の区分を設けている自治体もあります。
自治体によっては専門試験がなく、教養試験、作文、面接を中心に選考する場合があります。ただし、専門試験がないからといって簡単とは限りません。「なぜその市で働きたいのか」を自分の言葉で伝えられるよう、面接や作文の対策も大切です。
公務員には、国全体に関わる国家公務員と、地域の暮らしを支える地方公務員があります。また、行政職・公安職・技術職・福祉職・心理職など、職種によって仕事内容や向いている人の特徴も異なります。
公務員を目指すには、職種や自治体ごとの試験内容を確認し、早めに準備を始めることが大切です。まずは「どこで働きたいか」「誰の役に立ちたいか」「どんな分野に興味があるか」を考え、自分に合う公務員の種類を探してみましょう。
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