CGUの教員著書紹介

郡上村に電話がつながって50年 -むらの生活はどう変わったか-

  • 編著:現代教養学部講師 川又 実
  • 出版:クロスカルチャー出版、2024年3月31日
  • 概要:本書は岐阜県下の一山村において、「情報化」に歩調を合せた施策をすすめ「限界集落」を超越「調和ある村づくり(SDGs化)」に成功してきた記録である。 村は、800年の歴史と伝えられ、約100戸が明治以来、戸数も配置も変わらず、長さ4キロほどある谷に沿って生活してきている。村は、難視聴のうえ生活電話が1台もない1960年代末、全戸一斉に電話がひかれた。これを機に、村はどう変わるのか、まだどこも実施されていない長期の研究に着手した。爾来、全家庭を対象とする50年間の7回におよぶ全数調査を始めた。 村びとは「情報化」のステップを静かにあゆむ高度化を積み重ね、村の歴史、伝統、信仰にマッチさせてきた。村の自然に溶け込んだ生活が維持され、人口流失や社会生活の立ち遅れを乗り越えてきた。さらには購買行動の広範化・遠距離化、通婚圏の多様化、教育の高等化、産業の多角化等の新しい生活方法を生んだ。 この村の50年間を、7回にわたり全家庭を対象に調査するという定点観測をおよそ100人の研究者、大学院生、留学生、学生たちがバトンを受け継ぎながら実施、世界に例を見ない記録になった。 村は戸数、その配置、生活、伝統もさほど変わらぬ内容を維持し続けている。「地域の情報化」に新しい展望を示すものである。

郡上村に電話がつながって50年

世紀転換期の英米哲学における観念論と実在論

  • 編著:現代教養学部教授 齋藤 暢人
  • 出版:特定非営利活動法人ratik、2024年3月21日
  • 概要:世紀転換期の英国および米国において生じていた観念論と実在論の論争、それも特に実在論の側の議論とその意義を明らかにするものである。ここで言われている「世紀転換期」とは、19 世紀後半から 20 世紀前半まで、およそ1880年~1930年までの40~50年間を指す。この期間に英国とアメリカで生じた観念論哲学とそれに対する批判と論争、批判を支える実在論のさまざまな立場と主張内容を探り、1950年代以降現代に至る英米哲学の哲学的バックグラウンドを明らかにすることが研究の目的である。

世紀転換期の英米哲学における観念論と実在論

女性の政治参画をどう進めるか(学術会議叢書31)

  • 共著:現代教養学部准教授  皆川 満寿美
  • 出版:公益財団法人日本学術協力財団、2024年2月
  • 概要:日本では意思決定における女性の参画が著しく少なく、この改善が喫緊の課題となっています。政府は2003年に指導的地位における女性の割合を3割に引き上げる目標を掲げましたが、20年以上経った今もまだ達成されていません。このような停滞がもたらされた一因は、国政に参画する女性があまりに少ないために、法整備を含めた改善措置を講じるための推進力が生み出されなかったことが考えられます。             本書は、意思決定のなかでも政治分野に着目し、現状において女性の政治参画がなぜ進まないのかを分析し、海外の先進的な事例を概観しつつ、どのように進めるべきかを、様々な立場からの専門知を集結して、多角的に考察します。(公益財団法人日本学術協力財団のウェブページより

皆川先生著書2

会話と日記で学ぶ中国語

  • 共著:商学部教授 王 振宇
  • 出版:郁文堂、2024年4月
  • 概要:・準中級レベルを目指す学習者向けの教科書です。日本を舞台に、王好さんと友人達の大学生活が展開します。
    ・全12課。各課は「会話文」「新出単語」「文法要点」「日記」「練習」から構成されます。日常的な話題を表現する力を重視、SNSや買い物、温泉、就職活動等、身近なトピックを数多く取り入れています。
    ・「新出単語」「文法要点」は中国語検定試験のガイドラインに準拠して精選。3~4級までに習得すべき項目を網羅的にピックアップしました。
    ・各課には会話文の内容を反映した主人公の「日記」の文章を収録。文章力、特に自らの感想や意見を表現する力を向上できるように工夫を凝らしました。

     

会話と日記で学ぶ中国語

中国語への旅立ち―基礎からの出発―

  • 共著:商学部教授 王 振宇
  • 出版:朝日出版社、2024年1月
  • 概要:入門から初級段階まで必要とされる中国語の基礎知識を学ぶための教科書です。語彙と文法要点はすべて中国語検定試験準4 級、4 級に準拠し、精選されたものです。各課の構成と内容は以下です。会話文は主人公山本さんと同級生李華さんの中国での大学生活を一貫したストーリーで描きます。万里の長城、四川料理、端午の節句、春節といった魅力的な伝統文化をテーマにしたエピソードのほか、WeChatの利用やネットショッピングといった新しいトピックも取り上げています。文法は中国語検定試験のガイドラインに沿って厳選、簡潔な説明でポイントをおさえており文法が無理なくマスターできます。本書の学習を通して中国語の基礎が確実に、そして楽しく身につくことが期待できます。

中国語への旅たち

2023年

中央ユーラシア文化事典

  • 分担執筆:現代教養学部講師 櫻間 瑞希(「タタール音楽」「タタール人」の項目を執筆)
  • 出版:丸善出版、2023年7月4日
  • 概要:「中央ユーラシア」――あまり馴染みのない地域名かもしれません。中央ユーラシアとは、モンゴル高原から黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス、チベット高原に至る広大な地域を指します。本事典は、中央ユーラシアの厳しい自然環境に適応した草原の遊牧民と、オアシスの定住民たちが育んできた歴史・文化、多彩な魅力を318項目にわたって解説した厚い1冊です。本書の出版にあたり、国内外で活躍するこの地域の専門家149名が総力をあげて編集・執筆にあたりました。

中央ユーラシア文化辞典

国際関係学―地球社会を理解するために(第3版補訂版)

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:有信堂高文社、2023年4月1日
  • 概要:近現代国際政治の通史を振り返り最新の国際関係理論を概説したテキスト。国家ばかりではない様々なアクターやグローバルイシュー(地球的問題群)を網羅しており、国際関係を初めて学ぶ人、さらに知識を深めたい人には最適の書である。随所にQRコードを設け、スマートフォンやタブレットPCで多くの情報にアクセスすることができる。ロシアによるウクライナ侵攻後の国際情勢をふまえ、21世紀地球社会の展望と課題に論及した第3版補訂版。

国際関係学―地球社会を理解するために(第3版補訂版)

国境産業複合体―アメリカと「国境の壁」をめぐるボーダースタディーズ

  • 単著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:青土社、2023年3月31日
  • 概要: 本著作は、2019年度に取得した米国での在外研究の成果を踏まえて提出した博士学位論文に大幅な加筆修正を行い執筆したものである。「国境を守るのは誰か? 国境から締め出されるのは誰か?国境はもはや、国家と国家の間を区切るただの線ではない。監視技術やバイオメトリクスを駆使して、われわれの身体に刻まれるシステムと化している。国家とグローバル企業が手に手を取り合う、新たな国境政治のかたちとは何か。生活空間としての国境で展開される、新たなコミュニティ運営の可能性とは何か。航空産業、ITコンサル、軍需産業などを巻き込み展開される、国境政策の最前線。」(青土社のウェブページより)

国境産業複合体―アメリカと「国境の壁」をめぐるボーダースタディーズ

山村は災害をどう乗り越えてきたか-山梨県早川町の古文書・   民俗・景観を読み解く-

  • 著者:中央大学山村研究会編・法学部教授 白水 智(編集代表)
  • 出版:小さ子社、2023年2月
  • 概要:脆弱で貧窮に見えがちな山村は、実はしたたかで大きな活力を持った地域であった―。現山梨県早川町、近世に「早川入」と呼ばれた山間地域をフィールドとして、当地の人々が暴風雨・日照り・地震などさまざまな災害といかに向き合ってきたかを跡づける。地元に残る古文書など歴史史料の調査・整理と丹念な読み解き、聞き取り調査や景観観察、それらを踏まえた現地での講演会や古文書講読会など、地域に密着した活動を三〇年にわたり続けてきた研究会の成果。文理融合・学際的な視野に立ち、災害といういわば非日常の危機を切り口に、山村の姿をさまざまな側面から検証する。そこから明らかになってきたのは、驚くほどに強靱で野太い山村の生活のありようや資源の豊かさであった。日本の山村が災害に直面して見せる強靱な姿を解き明かす。

白水先生hp

食文化からイギリスを知るための55章

  • 著者:法学部教授 市川 仁(編著)、石原 孝哉(編著)、宇野 毅(編著)ほか
  • 出版:明石書店、2023年1月10日
  • 概要:本書は、タイトルにあるとおり、イギリスの食という観点からイギリス社会の文化・歴史などを紹介したものである。イギリスの食卓・食材・飲み物の文化史、食習慣、さらにイギリスの伝統的な料理や移民たちがもたらした料理、そして文学に見る料理などをとりあげ、7部55章の構成で編んでいる。いわゆる「食レポ」の本ではなく、たとえば決まり文句の「イギリス料理はまずい」が、その判断はともかくそれが歴史との深い関わりの中で生まれてきたことが理解できる、といったように、食文化をめぐる様々な背景や逸話を通して、イギリスのもう一つの面を知ってもらおうとするものとなっている。

食文化からイギリスを知るための55章-1hp

2022年

インド文化読本

  • 分担執筆:商学部准教授 上池 あつ子
  • 出版:丸善出版、2022年11月
  • 概要:インドの人々がどこからきているかという所から始め、植民地期での変容と現在にいたるまで、さまざまな文化をもつ人々の共生を追い、「今」に迫る。執筆者による現地のエピソードや写真なども掲載。1章1テーマで、民族、言語、宗教、教育など基本を押さえたつくり。インドを知りたい方、新たな顔を見たい方にも必見。(上池先生執筆「第9章インドの医薬・医療事情」)

上池先生分担執筆(インド文化読本)

[改訂版]税法学・税務会計論の要点 —租税論をふまえての現代税現象の解明—

  • 編著:商学部教授 濵沖 典之
  • 出版:五絃舎、2022年4月15日
  • 概要:本書は国民(納税者)の税への理解と納得のために効果的・効率的な説明、という視点で論究している。まず、租税法及び税務会計論の理解には租税論の理解が必要であることを指摘している。すなわち租税法及び税務会計論における、なぜ・どうしてという根本的な質問への論理的応答は租税論の中にあることを指摘している。次に経済活動に対応しての流通税・収得税・財産税・消費税を説明し、それぞれに属する個別税目について解説している。

20220914濵沖先生編著書

健康とスポーツ ハンドブック&ワークブック 改訂版

  • 編著:商学部准教授 増山 光洋
  • 著者:商学部教授 村本 伸幸 ほか
  • 出版:ブックハウスHD、2022年4月1日
  • 概要:これから健康および体育、スポーツ分野に携わる方に向けた教科書として、コンパクトな記述で幅広い分野を網羅した一冊。スポーツ医科学の基本を押さえ、スポーツを安全に行うための方法もまとめられている。2019年に初版を発刊し、2020東京オリンピックを無事に終えたことを境に掲載内容も一部加筆修正を行った改訂版。

増山先生編著20220401

アントロポセン時代の国際関係

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:中央大学出版部、2022年3月20日
  • 概要:本書は、人類が地球の生態系に深刻な影響を与えているというアントロポセン(人新世)時代において、国際関係(論)がどのような分析の枠組みを提示すればよいのかという問題意識のもとで執筆されている。「国境産業複合体の構造と実態―米国の利益誘導型国境政治」と題した論文では、中南米から大量の移民が流入する米墨国境において進展する国境の軍事化が、新自由主義にもとづく利益誘導型政治によって「国境産業複合体」の形成を促進し、それが国境地域の生活圏や生態系に及ぼす影響を考察している。

川久保先生共著20220324

民主主義を数理で擁護する ―認識的デモクラシー論のモデル分析の方法

  • 単著:法学部講師 坂井 亮太
  • 出版:勁草書房、2022年3月6日
  • 概要:会議には誰が参加するべきでしょうか。政治的決定を担うべきなのは、政治家、専門家、一般市民のうち誰でしょうか。本書では、このような疑問を、数理モデル分析で解き明かしています。本書では、民主的決定が正しい選択を導くと論じる「認識的デモクラシー論」を数理モデル分析によって精緻化することで、集合知が生じるメカニズムやその条件を明らかにします。「素人 v.s. 専門家」という対立構図を超えて、新たに「混合派」の優位性と活用場面を探ります。
  • リンク先より序論の一部を読むことができます。こちらよりご覧ください。

坂井亮太先生著書(民主主義を数理で擁護する)

2021年

學鐙

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:丸善、2021年9月5日
  • 概要:丸善の読書雑誌である『學鐙』(明治30年創刊)に、「広がる国境/縮む国境-『壁の帝国』アメリカ」が掲載されました。この特集号のテーマは「広がる」。多くの移民受け入れによって国家をつくりあげてきたアメリカは、その反面、「壁の帝国」としての顔も持ち合わせています。トランプ政権によって注目されることになった国境の壁を造る政治は、「国境の伸縮性」によって表象されることを、米国での研究を踏まえながら論じています。

川久保先生共著202109

増補改訂版メディアと流行の心理:電子書籍(Kindle版)

  • 単著:現代教養学部教授 中島 純一
  • 出版:金子書房、2021年7月31日
  • 概要:人の集うところに流行は生まれ、また流行のあるところに人は集う。その時代の文化の表象といわれる流行現象を、さまざまな視点から検討し分析を行う。社会現象としての流行概念を、自然科学の医学の疫学に手がかりを得て、感染症の拡がりと感受性との関係からスタートし、社会科学的な流行理論に至るまで考察する。特にメディアと流行との関係の重要性に注目して、デジタル時代の人々の集団性の中で、微差化の心理が生み出す流行のメカニズムを分析し考察を行う。

メディアと流行の心理

連帯論 —分かち合いの論理と倫理

  • 単著:商学部教授 馬渕 浩二
  • 出版:筑摩書房、2021年7月16日
  • 概要:コロナ禍以降、連帯という言葉を新聞やニュースで頻繁に耳にするようになりました。連帯は今日を象徴する言葉です。しかし連帯とは何かを説明することはそれほど単純なことではありません。連帯という言葉は様々な意味を帯びているからです。本書は連帯という言葉の錯綜した意味を解きほぐすことを目指しています。また本書は、連帯が人間にとってどのような意味を持つのかを問う、いわば「連帯の人間存在論」を展開しています。

馬渕先生著書20210716

マックス・ヴェーバーの生涯と学問  神からの使命に生きて

  • 単著:現代教養学部教授 黒川 知文
  • 出版:Yobel、2021年3月31日
  • 概要:黒川先生9作目の学術書です。20世紀最大の社会科学者の生涯をわかりやすく、信仰の側面からも初めて描写されています。資料としてはマックス・ヴェーバーの代表作『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』等の内容分析が提示されています。第1章は先生執筆の小説が提示されています。「宗教学」と「現代教養入門」の教科書になります。

黒川先生著書

国際関係学―地球社会を理解するために(第3版)

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:有信堂高文社、2021年3月30日
  • 概要:近現代国際政治の通史を振り返り最新の国際関係理論を概説したテキスト。国家ばかりではない様々なアクターやグローバルイシュー(地球的問題群)を網羅しており、国際関係を初めて学ぶ人、さらに知識を深めたい人には最適の書である。随所にQRコードを設け、スマートフォンやタブレットPCで多くの情報にアクセスすることができる。新型コロナウィルスが国際関係に与える影響やバイデン政権の誕生などの最新情報を取り入れた第3版。「国境問題:“領土の罠”からの脱却」及び「人の移動と感染症」を分担執筆。

川久保先生著書国際関係論

エビデンスに基づく自治体政策入門-ロジックモデルのつくり方活かし方

  • 共著:現代教養学部准教授 林健一
  • 出版: 公職研、 2021年2月22日
  • 概要: 本書は、自治体職員、議会議員、公共政策を学ぶ学生に向けて、エビデンスによる政策立案・評価とは何か・何の役に立つのかという「基礎」から、実際にロジックモデルを作成して、政策・施策に活用する「応用」まで、自治体政策へのロジックモデルの導入例をふんだんに盛り込んだ実践的テキストとして編集されています。
     自治体現場においてEBPM(エビデンスに基づく政策立案)と、その基礎となるロジックモデルの普及、活用を促進するために難解な学術書の形態をあえて避け、自治体政策に関するロジックモデルの入門書としてまとめらえた本邦初の書籍です。
     林准教授は、本書のうち「第3章 ロジックモデルを政策立案・評価に活用しよう」を担当し、ロジックモデルを用いた行政計画・戦略の見直し方法と、ロジックモデルからEBPMへの展開を解説しています。この検討素材としては「我孫子市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のうち、少子化・人口減少政策をとりあげて、現在運用されている計画・戦略のロジックモデルの策定方法と、そこから見いだされる新たな評価指標の体系群を提示しています。

林先生共著2021

図解インド経済大全

  • 共著:商学部准教授 上池 あつ子
  • 出版:白桃書房、2021年1月11日
  • 概要:インド研究者、またインドを専門とする実務家ら総勢34人の編者・執筆者が結集し、インド経済と関連する事項を解説する。第1部は経済に陰に陽に影響を与える政治や社会、文化なども幅広くカバー、充実した記述で理解を深められる。第2部は、世界的な産業となったITから、独特の文化を支えるアパレルや飲料・食品などまで11の産業分野(計73業界)について、最新の統計を駆使し、基礎と現状を解説。さらに第3部において、進出実務や税務、また現地の生活や仕事の様子もフォローする。

上池先生「インド経済大全」

2020年

Public Voices

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:Boston: Suffork University、2020年10月
  • 概要:国際学術誌Public Voicesに”Privatizing Border Security: Emergence of the ‘Border-Industrial Complex’ and Its Implications”が掲載された。2019年度に取得した米国における在外研究の主要テーマである「国境産業複合体(Border-Industrial Complex)」の歴史と現代的実態について、現地での研究者との交流や調査を踏まえ考察している。国家とセキュリティ産業の深い結びつきが国境地域の人々や移民に及ぼす影響について多角的に分析した。

川久保先生著書PublicVoices

現代思想 Vol.48-13

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:青土社、2020年9月23日
  • 概要:『現代思想』の特集号「ブラック・ライヴズ・マター」に、拙稿「レイシズムと軍・法執行機関の融合化」が掲載された。他の討議者・執筆者は、酒井直樹コーネル大学教授ほか40余名。白人警察官によるジョージ・フロイド殺害事件に端を発する抗議運動は、全米各地のみならず世界中に広がりをみせ、米国社会における人種差別の病理がいかに根強いものであるのかを示している。拙稿では、トランプ政権の「法と秩序」の背景にある軍・法執行機関の融合化が米国・メキシコ国境地域におけるレイシズムに歴史的な淵源をもつことを、現代の国境の軍事化現象とあわせて検証している。

現代思想48-13

国連子どもの権利条約と日本の子ども期ー第4・5回最終所見を読み解く

  • 共著:商学部准教授 谷口 聡
  • 出版:本の泉社、2020年7月6日
  • 概要:虐待、いじめ、貧困など、子どもに関する痛ましいニュースは、もはや珍しいものではない。日本の子どもの権利は、いったいどれほど保障されており、また、今後いかにしてそれを保障していくべきか。本書は、「子どもの権利条約」の観点からこの問いに接近するものである。同条約の批准国は、子どもの権利の保障状況について、5年ごとに「国連子どもの権利委員会」から審査され、必要な措置について勧告される。本書は、日本政府に対するその最新の勧告(2019年)を、多様な専門家(教育、心理、法律等)が多面的・総合的に分析したものである。本学の教職課程の学生をはじめ、子どもに関わる職を目指す学生には是非一読してもらいたい。

著書_谷口聡先生

A Post-WTO International Legal Order

  • 共著:現代教養学部教授 中川 淳司
  • 出版: Springer、2020年6月17日
  • 概要:WTO(世界貿易機関)の機能不全が深刻である。貿易交渉のフォーラムとしても、貿易紛争解決のフォーラムとしてもうまく機能しなくなっている。本書は、WTOが全く機能しなくなった世界、WTOが存在すらしなくなった世界を想定し、そこで世界貿易のガバナンスがどのように行われるか、または行われないかを楽観論、悲観論の立場から論じた論考を集めた。本書は、筆者を含む編者が企画して2019年に東京(1月)、ボストン(7月)、ロンドン(10月)で開催した同名の研究集会の成果をまとめたものである。言うまでもなく、本書の意図はどうすればWTOの機能を回復させることができるかを論じることにある。

A_Post-WTO_International_Legal_Order

フランスの歴史を知るための50章

  • 共著:法学部准教授 花房 秀一
  • 出版:明石書店、2020年5月31日
  • 概要:日本列島とヨーロッパの最西端に近いフランスは、ユーラシア世界の対極に位置しています。ところがフランスは、明治維新以降、長いあいだ日本人にとってもっとも馴染み深い国の一つでした。イギリス、アメリカ、ドイツなどと並んで近代化をとげた先進国であり、日本がモデルとすべき国であるとされてきたからです。
    本書は、そんなフランスの歴史を50章に分けて、平易な文章で叙述しています。

     

フランスの歴史を知るための50章

現代地政学辞典

  • 共著(編集委員):法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:丸善出版、2020年1月31日
  • 概要:これまで地政学は戦争のイメージが付きまとう学問であった。しかし現代の地政学は、複雑化する空間と政治の結びつきを立体的に読み解く学問へと変貌しつつある。本事典は地球社会が今直面している脅威や課題を取り上げ、国家の枠にとらわれない構図から解決策を模索する「新しい」地政学のあり方を提示する日本初の事典である。執筆陣は地理学系・政治学系の各分野を代表する222名、中項目数(原則見開き2頁)は332項目になり、多角的に「新しい」地政学に迫れる内容となっている。

現代地政学辞典

数式で学ぶ経済学〔三訂版〕

  • 著者:商学部教授 宮阪 雅幸
  • 出版:税務経理協会、2020年1月10日
  • 概要:「経済学は難しい」とよく耳にすることがあります。実際に経済学を学んだことがある多くの人が難解そうな数式に出くわし、多かれ少なかれ困惑されたことがあるのではないでしょうか。本書は経済学の基礎理論を中学程度から大学レベルの数学に結び付け、無理なく段階的に学ぶことを目指したテキストです。本書を読み終えた読者が「経済学は難しくない」とは言いませんが、「経済学は興味深い」と思っていただけることを願っています。

数式で学ぶ経済学

戦争と平和1

  • 訳:現代教養学部教授 望月 哲男
    (原作:レフ・トルストイ)
  • 出版:光文社、2020年1月9日
  • 概要:始まりは1805年夏、ペテルブルグでの夜会。全ヨーロッパ秩序の再編を狙う独裁者ナポレオンとの戦争(祖国戦争)の時代を舞台に、ロシア貴族の興亡から大地に生きる農民にいたるまで、国難に立ち向かうロシアの人びとの姿を描いたトルストイの代表作。全6巻(第2巻は5月刊)。

戦争と平和1

2019年

増補改訂版 コミュニケーションと日常社会の心理 -100のエピソードから読み解く-

  • 著者:現代教養部教授 中島 純一
  • 出版:金子書房、2019年10月29日
  • 概要: わたしたちの日常の中に無数に存在するコミュニケーション。デジタル時代の象徴でもあるSNSやモバイルなどから、対パーソナルコミュニケーション、くちコミなどに至るまで、14のジャンル、100のエピソードを通して、コミュニケーションの本質を考察する。伝達から共有へ向かう新たなコミュニケーションの流れを踏まえて、その背景にある人々の息づかいや心理をさぐる。旧版をもとに最新のデジタル化の波を念頭に、全面的に書き下ろした新著。

コミュニケーションと日常社会の心理(中島先生著書)

ロシア文化辞典

  • 共著(編集代表):現代教養学部教授 望月 哲男
  • 出版:丸善出版、2019年10月28日
  • 概要:日本人にとっては隣国でありながら、その素顔はいまだにあまり知られていない大国ロシア。本事典はその文化に焦点を当て、国内外で活躍するロシア 研究者や実務家205名が総力をあげて編集・ 執筆にあたった充実の内容です。これまでの蓄積と最新の研究動向を反映し、ロシアの多彩な側面を362項目にわたり広く深く解説します。ワンテーマにつき1見開き(2頁)完結の中項目主義で、どこから開いても興味深く読める構成です。

ロシア文化辞典

エスニシティと物語り―複眼的文学論

  • 共著:現代教養学部講師 峯 真依子
  • 出版:金星堂、2019年10月10日
  • 概要:(第2章3節「連邦作家計画『米国各州案内』についての試論―――故郷(ホーム)を出現させるガイドブック」を担当)2019年10月発売。
    大恐慌時代、アメリカは失業中の作家を雇い、全米各地に暮らす様々な民族の文化・生活を紹介するユニークなガイドブックを作りました。ロード・トリップででかけた先が観光名所ではなく「アメリカの多様な人々の生活」だったのはなぜなのか? ロックフェラーやデイビー・クロケットに字数を割くのではなく、普通の人々をむしろヒーローとして描いたのはなぜなのか? アメリカが大恐慌でも失われなかった価値観に立ち返り、「真のアメリカらしさ」を模索した貴重なガイドブックについて論じています。
     

エスニシティと物語り(峯先生著書)

人々がつなぐ世界史

  • 共著:現代教養学部教授 黒川 知文
  • 出版:ミネルヴァ書房、2019年8月31日
  • 概要:本書は「人の移動」を通じて、世界がいかにして結ばれたかを歴史的に考察する。筆者は20世紀初頭におけるロシアのユダヤ人の米国移住について扱った。特にロシアから米国に移住した経路を明らかにし、シュテットルがニューヨークのマンハッタンに形成されたこと、ユニテリアンに改宗するユダヤ人がかなりいたこと、そして巨視的には「信仰から富の世界へ」の変化が移住したユダヤ人に見られることを指摘した。

人々がつなぐ世界史(黒川先生共著)

税法学・税務会計論の要点 -租税論を踏まえての現代税現象の解明ー

  • 編著:商学部教授 濵沖典之
  • 出版:五絃舎、2019年4月5日
  • 概要:本書は国民(納税者)の税への理解と納得のために効果的・効率的な説明、という視点で論究している。まず租税法及び税務会計論の理解には租税論の理解が必要であることを指摘している。すなわち租税法及び税務会計論における、なぜ・どうしてという根本的な質問への論理的応答は租税論の中にあることを指摘している。次に経済活動に対応しての流通税・収得税・財産税・消費税を説明し、それぞれに属する個別税目につて解説している。

税法学・税務会計論の要点(濵沖先生著書)

現代思想 Vol.47-5

  • 共著:法学部教授 川久保 文紀
  • 出版:青土社、2019年4月1日
  • 概要:『現代思想』の特集号「新移民時代―入管法改正・技能実習生・外国人差別」に、「国境の壁とテイコポリティクス」が掲載された。他の執筆者は、森千香子一橋大学准教授ほか18名。トランプ政権の排他的な国境管理政策に代表されるように、世界における国境の壁が増加し、質的に変容してきた諸相について、「テイコポリティクス」(壁を作る政治・政策)や国境の軍事化・民営化という観点から検証した。

現代思想47-5

健康とスポーツ ハンドブック&ワークブック

  • 編著:現代教養学部准教授 増山 光洋
  • 著者:商学部教授 村本 伸幸 ほか
  • 出版:ブックハウスHD、2019年4月1日
  • 概要:これから健康および体育、スポーツ分野に携わる方に向けた教科書として、コンパクトな記述で幅広い分野を網羅した一冊。スポーツ医科学の基本を押さえ、スポーツを安全に行うための方法もまとめられている。

著書紹介:商学部村本先生、現代教養学部増山先生「健康とスポーツ」

2018年

向田邦子文学論

  • 共著:商学部准教授 水藤 新子
  • 出版:新典社、2018年11月28日
  • 概要:没後40年を迎えようとする今なお愛される作家・向田邦子の作品の魅力に、研究者と愛読から成る研究会が鋭く迫った文学論集。研究案内・付録資料も備え、向田文学がより深く味わえるようになる1冊。広く日本語の文体・表現を研究領域としている水藤准教授は、かつて桃井かおりと松田優作(NHK)、この春に倉科カナとEXO・カイ(WOWOW)でドラマ化された短編小説『春が来た』の表現を分析した。

水藤 新子

中近世山村の生業と社会

  • 著者:法学部教授 白水 智
  • 出版:吉川弘文館、2018年10月31日
  • 概要: 現代よりはるかに不便であったはずの近代以前、山村の人々はなぜ山を下りずに住み続けたのか。信濃国秋山と甲斐国早川入を中心に、生活文化体系の巨視的な視座から中近世山村の生業や特質、外部社会との交流などを解明。自然環境の多様な利用方法、近隣との山野争論、野生動物の狩猟などの事例から、従来の山村=「後れた農村」観に一石を投じる。

中近世山村の生業と社会(白水先生著書)

ユダヤ人の歴史と思想

  • 著者:現代教養学部教授 黒川 知文
  • 出版:ヨベル社、2018年10月15日
  • 概要:古代ヘレニズム時代から1948年イスラエル建国に至るまでのユダヤ人の歴史とユダヤ民衆に広がった思想を、歴史画、図、地図、表、写真を豊富に使用して概説しています。なぜユダヤ人は迫害されたのか?を歴史的に分析し、ユダヤ教メシア運動のメカニズムを提示。さらに、ユダヤ人が他民族と共生した時代の分析から、一神教を信じる諸民族が共生する可能性をも希求します。ユダヤ史研究の第一人者による書です。歴史や宗教、またユダヤ人に興味がある方におすすめします。学生必読の書です。ぜひお読みください。

ユダヤ人の歴史と思想

渉外戸籍・国籍法研究

  • 著者:法学部教授 大村 芳昭
  • 出版:成文堂、2018年9月1日
  • 概要:著者が渉外戸籍及び国籍法の分野に関してこれまでに執筆してきた論文と研究ノート、そして渉外戸籍及び国籍法を始めとする国際家族法関係の判例研究を1冊にまとめたもの。中でも国籍法研究については、婚外子差別の撤廃を大きなテーマとして意識している。著者のこれまでの業績をまとめる作業はこれでとりあえず終了となり、今後は新たな段階に突入することになりそうである。

渉外戸籍・国籍法研究

イギリス文学を旅する60章

  • 著者:法学部教授 市川 仁、石原 孝哉(共編著)
  • 出版:明石書店、2018年8月10日
  • 概要:本書は、イギリス文学の歴史を古代から現代までそれぞれの時代を代表する60名の作家をとりあげ、7部60章構成として編んだものである。各章でとりあげた作家について、その作家を専門とするイギリス文学の研究者たちに、作品のみならず作家の生まれ故郷や住んだ家あるいは関わりのあった地などについても論じてもらうことで、そこから見えてくる新たな作家や作品の姿を紹介しようとするものである。

イギリス文学を旅する60章

名場面でたどる『罪と罰』

  • 訳・解説:現代教養学部教授 望月 哲男
    (原作:フョードル・ドストエフスキー)
  • 出版:NHK出版、2018年6月15日
  • 概要:ドストエフスキーの長編『罪と罰』から24の名場面を選び、ロシア語テクストに文法的注釈を加え、和訳し、各場面の作品中での位置づけ、文体的特徴、比喩や引用の意味、思想や情動表現の特徴などに関する解説を加えたもの。読者にドストエフスキーの文章を味わう機会を提供すると同時に、新しい角度から作品解釈を行うことを狙いとした。

名場面でたどる『罪と罰』

どうすれば協働作業がうまくいくか 失敗から学ぶピア・リーディング授業の科学

  • 共著:法学部講師 田中 啓行
  • 出版:ココ出版、2018年6月9日
  • 概要:近年、学生同士が協働して学び合うピア・ラーニングが多くの教育現場で行われています。しかし、いざやろうとするとうまくいかないことも多くあります。この本は、留学生対象の読解授業で実際に「ピア・リーディング」を行ったデータから、うまくいった点だけでなく失敗した点も分析し、グループや課題の作り方、
    ディスカッションの進め方、教師の介入の仕方など、ピア・リーディング授業を行う際の指針を示しています。

著書紹介:田中啓行先生「どうすれば協働作業がうまくいくか」

奴隷の文学誌 — 声と文字の相克をたどる

  • 著者:現代教養学部助教 峯 真依子
  • 出版:青弓社、2018年4月30日
  • 概要:ボブ・ディランやトニ・モリスンのノーベル文学賞受賞によって、声としての文学が再評価されつつある。本書は、奴隷体験記から現代作家にいたるアフリカン・アメリカン文学の150年を描き出し、文学と声の関係性を問い直す。また、歴史的・社会的な視点から読み解き、文字文化の重要性を浮き彫りにする。

奴隷の文学誌

日本史におけるキリスト教宣教

  • 著者:現代教養学部教授 黒川 知文
  • 出版:教文館、2018年4月25日
  • 概要:日本におけるキリスト教の歴史を、歴史学と宗教学の観点から考察。キリスト教宣教に大きな影響を与えた代表的な14名の生涯も紹介。同書は2014年に出版後すぐに絶版になったが、今年、オンデマンドで読めることになった。 キリスト教に興味のある方、日本の宗教史に興味のある方、そして人生の指針を求める方にも勧める書である。

日本史におけるキリスト教宣教

韓国経済発展の始動

  • 著者:現代教養学部教授 金子 文夫、宣 在源 共編
  • 出版:日本経済評論社、2018年2月19日
  • 概要:1960年代を中心に韓国の高度経済成長がいかに始動したかを分析した論文集 。第1部「体制」では、主に対外経済関係を取り上げ、対外政策(日韓関係)、為替改革、輸出支援政策、輸出組合について論じる。第2部「要素」では、企業金融、株式公開、人材育成、技術革新などを検討。第3部「産業」では、石炭、鉄鋼、造船、紡績産業を分析している。

韓国経済発展の始動