2021.01.22 (金)TOPICS現代教養学部

「浜矩子先生特別授業」開催報告

1月13日(水)の2限目に、現代教養学部 峯 真依子 講師の「英語リーディング・ライティング実践」の授業において、エコノミストで同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子先生が、「エコノミストの二つの名前:SHとSJB」というテーマで特別授業を行いました。

浜先生は、これまでも数多くのメディアに出演し、かつ新刊が出れば書店に平積みで置かれる大変人気の高いエコノミストです。この授業で学生たちはThe New York Timesなどを読んで準備をしましたが、英字新聞が情報として読めるようになるだけではなく、世界で起きる様々な出来事が日本で暮らす私たちにいかに分かちがたく結びついているのかを、エコノミストの視点から語っていただきました。

浜矩子先生特別授業02

同志社大学大学院ビジネス研究科教授 浜 矩子先生
まず、あらかじめ浜先生によって知らされていたテーマが謎に満ちていたため、誰一人授業の内容がまるで予想できない緊張感の中、特別授業は静かに始まりました。タイトルにあった二つの謎のイニシャルSHとSJBが、次第に明らかにされていきます。まず、SHとは、数々の難事件を解決した、かの名探偵シャーロック・ホームズ。 ホームズ先生は普通の人は気が付かないことを手掛かりに、まるで読心術を披露するかのように真理を語る。しかし彼の推理の奥底には「破綻なき論理の連鎖」がある…。エコノミストのあるべき姿とは、経済名探偵のことでもある、という浜先生の意外な言葉に学生たちは引き込まれていきます。

浜矩子先生特別授業05

現代教養学部 峯 真依子先生
ときに「破綻なき論理の連鎖」の結果、あり得そうにないこと、通常は不可能だと思われることでも、残った何かが真理である…それは時に、人々が聞きたくないことかもしれません。ここで、もう一つのイニシャルSJBが登場します。それは、まさかの新約聖書に登場する洗礼者ヨハネ(Saint John the Baptist)。イエス・キリストの前に現れた重要な人物で、自身を称し「荒野で叫ぶ声」と言った言葉が聖書に残されています。そう、真のエコノミストとは、人々が気持ちよくなることを言ってくれる人ではない。むしろ、「荒野で叫ぶ声」のように、人々に警告を発することができる人である。荒野に響き渡るその声とは、浜先生の言葉を引用すると「人のために泣くことができる」、「人間を幸せにするためにある」経済活動を追求し、「人の営み」の為に道をまっすぐにする、真のエコノミストの言葉に他なりません。
「破綻なき論理の連鎖は、どのような場面で具体的に生きたのでしょうか?」「他の人の声に従いやすい自分は、果たしてどのようなことができるか?」「コロナに関する経済的救済についての私の意見はこういうものですが、浜先生はどのようにお考えでしょうか?」「逆に成功していると思われる過去の政策は国内外で何かありますか?」学生たちは競って、浜先生質問を投げかけます。一人一人に対して浜先生は、じっくりと時間をとって答えてくださいました。

浜矩子先生特別授業10

浜先生に質問した学生4名
授業終了直後、本当は質問したかったが緊張してできなかったという学生たちから、口惜しさと新たな決意に満ちたメッセージが峯先生の質問ボックスに届いたとのことです。
この混迷する世界に本学の学生が勉学を続け、また「破綻なき論理」のもとで自分のテーマを考え続け、さらには卒業時には大きな成長を見せるに違いないと予感させる、本年度最後の授業でまさに大団円となった、浜矩子先生の特別授業となりました。
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