2023.12.18 (月)TOPICS現代教養学部

「元日本文芸家協会事務局長 高橋 靖典氏による特別講義」実施報告

12月12日(火)の1時限目、現代教養学部准教授 峯 真依子先生の「都市文化論(アメリカ)」にて、元日本文芸家協会事務局長で、現在、法政大学大学院兼任講師の高橋 靖典 氏をお招きし、特別講義を行いました。高橋氏は、これまで編集者として瀬戸内寂聴、井上ひさし、米原万里、福田和也、石原慎太郎、山本七平、菅 直人、不破哲三、渡部昇一、小室直樹、堀江貴文、谷沢永一、日野原重明、水上 勉、中村 哲(以上、敬称略)といった各分野の著名人の出版物を世に送り出し、また数多くの作家たちをサポートしてきました。
今回は「日本の<世間>とアメリカの<社会>-仕方がない日本人とあきらめないアメリカ人」というテーマで、主に2・3年生の受講者にお話をしていただきました。

特別授業(都市文化論(アメリカ)②

高橋 靖典 氏
「世間知らず」とはよく使われる言葉であるが、「社会知らず」とはほとんど云われない。それはなぜなのか? 欧米では「個人」がいて、彼らが「市民」として暮らす公共空間を「都市」といい、その公共空間の総体として「社会」がある。しかし、このどれも西欧で生まれた特殊な経緯を持つものであり、800年以上の歴史がある。
ところが日本にこれらの概念が入ってきたのは、明治維新、文明開化のときで、以来まだ155年しか経っておらず、これらが根付いていないのは、当たり前である。
世界中の見知らぬ他人と共存するための「社会語」の語彙やマナー、立ち居振る舞い方を、日本語の中に増やしていくことで、この閉塞感のある日本の社会で、よりよい人生を生きられるのでは?そのような提案をしていただきました。

特別授業(都市文化論(アメリカ)④

一方で、エッセイスト(奥 祐介)としての顔ももつ高橋氏は、小気味の良い語り口でも定評があります。今年は長年の雑誌の連載をまとめた本『東京名酒場問わず語り』(草思社、2023年)を出版されました。作家たちと訪れた隠れ家的酒場や、ひとりでも落ち着ける飲食店を厳選したガイドブックです。そうした経験もふまえ、最後には、学生たちが社会に出て、いかにして企業やクライアントの心をつかむか、のコツについてもお話くださいました。ずばり、「初回のデートの気持ちを忘れるな!」だそうです。「初回のデートは異様なまでの緊張の中、断られたら次がないので、全身レセプター(受容体)となって、相手の話を120%の集中力で聴くはず。そうやって一言も聞き漏らすまいとしながら相手の話を聞くことのできる学生は、社会に出てもたいていのことは上手くいく」と、とても貴重なアドバイスをいただきました。

特別授業(都市文化論(アメリカ)⑧

特別授業(都市文化論(アメリカ)⑦

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